研究課題/領域番号 |
20K16641
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分52030:精神神経科学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
藤川 慎也 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (20797279)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 毛髪コルチゾール / 思春期 / ストレス / レジリエンス / コホート研究 |
研究開始時の研究の概要 |
精神疾患の発症には、個人の特徴(素因)とストレス(誘因)の相互作用が提唱されている(ストレス脆弱性モデル)。ストレスの指標としてコルチゾールが有用であるが、血中濃度では測定時の短期的ストレスに左右されてしまう。近年、毛髪濃度の測定により長期的ストレスの影響の評価が可能となった。また、コルチゾール濃度において、高値はストレス脆弱性を反映すると注目されていたが、近年、低値においても同様のことが示唆されるようになった。本研究の目的は、ストレス脆弱性モデルを基に、思春期児童の毛髪コルチゾール濃度高値及び低値が、将来の内的適応や外的適応と関連するかどうかを明らかにすることである。
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研究実績の概要 |
申請者が運営に携わる東京ティーンコホート調査より約260名の11-12歳思春期児童を抽出したサブサンプルコホート調査の15-16歳時を対象とした第3期サブサンプル調査を平成30年5月より令和2年秋まで行った。毛髪検体は第3期サブサンプル調査より採取を開始し東京大学にて保管している。第2期サブサンプル調査より新たに参加した思春期児童の毛髪検体も合わせ300を超える検体を取得した。毛髪コルチゾール測定に関して、確定した測定手法(LC-MS)、検体授受・データ報告の手順に準じて、外部専門業者に測定を委託した。並行して、データ解析設備を整備した。また、令和2年度より17-18歳時児童対象の第4期サブサンプル調査を開始し、令和5年度秋調査終了時までに290近くの毛髪検体を採取している。令和4年度までに、第3期サブサンプル調査で取得した毛髪測定結果のデータ管理、データクリーニング等を実施している。令和5年度に延期した第4期東京ティーンコホート調査のデータとサブサンプル調査のデータを用いた解析が遅れたため、令和6年度に、本研究の主目的である思春期毛髪コルチゾールと内的・外的適応の関連解析を行い、論文執筆及び、学会発表等を行う。また、令和2年度より開始した第4期サブサンプル調査が令和5年秋に終了したため、本調査で採取している毛髪検体を用いて、個人内の毛髪コルチゾールの縦断的変化の評価が可能となり、本研究の解析モデルを更に拡張する事も期待できる状況にある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
申請者が運営に携わる東京ティーンコホート調査より約260名の11-12歳思春期児童を抽出し継続しているサブサンプルコホート調査の15-16歳時児童を対象とした第3期サブサンプル調査を平成30年5月より令和2年秋まで行った。毛髪検体は第3期サブサンプル調査より採取を開始し、東京大学にて保管している。第2期調査より新たに参加した思春期児童の毛髪検体も合わせ、300を超える検体を取得した。毛髪コルチゾール測定に関して、委託する外部専門業者との打ち合わせを続け、確定した測定手法(LCMS)、検体授受・データ報告の手順に準じて測定を進めた。以後、データ管理、データクリーニングを行っている。並行して、解析設備を整備し、同調査で取得したその他のデータとの関連解析の準備を行った。令和5年度に予定していた第4期東京ティーンコホート調査のデータとサブサンプル調査のデータを用いた解析が、申請者の他タスク等の事情により遅れている。また、令和2年秋より令和5年秋までに第4期サブサンプル調査を終了し、290近くの毛髪検体の取得しているため、当初の研究計画からの部分的変更も検討している。 上記の通り、遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
令和6年度は、令和5年度に予定していた第4期東京ティーンコホート調査のデータと、サブサンプル調査のデータと連結し、本研究の主目的である思春期毛髪コルチゾールと内的・外的適応の関連解析を行い、解析結果を基に論文執筆、学会発表等を行う。また、令和2年秋より開始し令和5年秋に終了した17-18歳児童対象の第4期サブサンプル調査にて、290近くの毛髪検体を採取している。第4期サブサンプル調査の毛髪データを用いて、個人内の毛髪コルチゾールの縦断的変化の評価が可能となる見込みである。前述の研究解析に加えて、毛髪コルチゾールの縦断的変化、更にはその変化パターンがその後の内的適応及び外的適応に与える影響の検討により本研究の解析モデルを更に拡張する事も期待できる状況にある。
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