研究課題
若手研究
本研究の目的は、認知症の鑑別診断への有用性が報告されているGrand Total EEG score (Lee et al. 2015)に基づいて認知症患者の脳波データを目視で評価し、レビー小体型認知症患者の診断精度向上及び予後予測に資する神経生理学的な知見を得ることである。特別な解析設備に依存せず、目視による脳波所見の評価を重視しており、一般的な施設で応用可能な知見が得られると考えられる。
本研究では、脳波検査を利用して、一般的な医療施設でも利用可能な、認知症の鑑別診断及び予後予測に有効な客観的バイオマーカーを開発することを目的とした。当院脳外科と共同で、安静時脳波データを用いて、様々な認知症疾患と健常者を識別するための深層学習モデルを開発し、その成果は国際学術誌に掲載された。さらに、ポータブル脳波計を使用して脳波検査をより簡易に行い、そのデータを機械学習モデルで解析することにより、精神神経疾患の発症を高精度に予測できることを示し国際学術誌にて発表した。これらの知見を活用し、ポータブル脳波計を使用した認知症性疾患の識別研究を進め、その成果は国際学術誌で査読を受けている。
この研究の学術的意義は、一般医療施設で実施可能な低コストで非侵襲的な脳波検査を用いて認知症の早期診断と予後予測のための客観的バイオマーカーを開発することを目指した点にある。社会的意義としては、早期診断により適切な介入が可能となり、認知症患者とその家族の生活の質を向上させることが期待される。さらに、ポータブル脳波計を使用することで、より広範囲な施設でのスクリーニングが実現し、医療アクセスの格差を縮小し、全体の医療コスト削減に寄与することが期待される。
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すべて 雑誌論文 (13件) (うち国際共著 4件、 査読あり 12件、 オープンアクセス 8件) 学会発表 (6件) (うち招待講演 1件)
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