研究課題/領域番号 |
20K16651
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分52030:精神神経科学関連
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研究機関 | 大分大学 |
研究代表者 |
平川 博文 大分大学, 医学部, 講師 (60793768)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2021年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 気分障害 / 高照度光療法 / 脳画像研究 / 神経新生 / 海馬歯状回 / MRI / うつ病 / 双極性障害 / 脳画像解析 |
研究開始時の研究の概要 |
気分障害の患者を対象として4週間の高照度光療法を行う。18F-FDG-PETによる機能画像と共にMRIによる形態画像も検討することで、高照度光療法による神経新生を多角的に精査する。18F-FDG-PET に関してはSPMを用いて、MRI画像に関しては、SPM・Freesurfer・FSLの3つの脳画像解析ソフトを用いて、体積変化、脳皮質の厚みの変化、白質統合性の変化、といった異なる構造変化を同時に精査する。気分障害患者に対する高照度光療法の脳画像的変化を複数の脳画像・脳画像解析ソフトを駆使して検討した研究は、我々の知る限り世界的にも報告されておらず、非常に特色のある研究になると思われる。
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研究成果の概要 |
気分障害患者を高照度光照射群(BL群, 10,000 lux, 30min)と低照度光照射群(DL群, 50 lux, 30min) に無作為に割り付け、4週間の光照射前後でMRIによる画像評価を行った。BL群12例、DL群12例であった。群間と照射前後の交互作用に関して、左海馬歯状回頭部にて有意(p=0.003)な結果が見られた。また、BL群における光照射前後の体積を比較したところ、左海馬歯状回頭部の体積が有意に増加していた(p=0.002)。一方、DL群においては、光照射前後で同部位の体積変化は認めなかった。高照度光照射により左海馬歯状回頭部の神経新生が生じた可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
気分障害患者に対する高照度光療法が左海馬歯状回頭部の体積を増加させ、同部位での神経新生が生じた可能性が示唆されたとの結果を得ることが出来た。気分障害患者における精神症状と脳画像変化の関連をみていくなかで、光療法の新たな作用機序を提唱することが出来た点で、学術的・社会的意義がある。
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