研究課題/領域番号 |
20K16653
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分52030:精神神経科学関連
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研究機関 | 奈良県立医科大学 |
研究代表者 |
岡崎 康輔 奈良県立医科大学, 医学部, 助教 (70736925)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 自閉スペクトラム症 / 性差 / 逆境的小児期体験 / 事象関連電位 / 眼球運動 / ロールシャッハテスト / 近赤外線スペクトロスコピィ |
研究開始時の研究の概要 |
自閉スペクトラム症(Autism Spectrum Disorder:ASD)において、ASD症状の形成に性差や逆境的な小児期体験がどのように相互に作用しあいASD症状を形成していくのかは未解明である。 本課題では、成人期ASDにおいて性差及び逆境的な小児期体験が、ASDの心理特性や神経生物学的な中間表現型にどのような影響を与えるのかを神経心理学的検査、生理学的検査、画像検査を用いて多面的、網羅的に検討する。本課題によりASDの病態理解を深め、生物学的基盤の異質性に基づいたASD症状の新規のクラスター化を目指し、ASDの適切な個別治療につなげる知見を得る。
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研究実績の概要 |
自閉スペクトラム症 (Autism Spectrum Disorder:ASD)は神経発達症の一つであるが、その有病率の性差は著明であり、またASD症状の顕著な性差も知られている。ASDを有する者は虐待などの逆境的な小児期体験(Adverse Childhood Experience:ACE)を経験することが多く、のちのASD症状に影響を与えることも知られている。このようにASD症状形成には性差やACEが影響し、ASDの異質性を高める要因であることが報告されている。申請者及び我々のグループは、これまで児童思春期の精神疾患・発達障害に焦点をあて、事象関連電位や近赤外線スペクトロスコピィを用いてASDなどの発達障害の脳機能不全を研究しており、これら の生物学的指標が診断の補助的役割を担う可能性について検討してきた。また、申請者は、事象関連電位を用いた研究において、小児期の性的虐待の体験が成人期ASDの脳機能に影響を及ぼす可能性、また、ASDと定型発達では成人期の脳機能に影響しうる因子が異なることを報告している。 令和4年度において、これまでに引き続き、奈良県立医科大学精神科にASDの診断にて外来通院中の患者から、本研究への参加に同意を得られた被験者に対して、頭部MRI検査、事象関連電位、近赤外線スペクトロスコピィ、眼球運動検査、血液検査、心理検査の実施を行い、データの取得を行った。令和3年度において、ロールシャッハテスト中の視線活動がASD群と健常対照群の判別に有用な特徴量であることが示唆されたため、視線活動データを用いた機械学習による解析を進めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本申請の目標の被験者数のデータ取得を順調に遂行できている。 また、解析においても、機械学習モデルを用いて実施しており、本研究課題の目的達成に向け、順調に課題を進展することができていると考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
これまでに取得した心理学的データ、脳画像データならびに生理学的検査データをASD群と健常対照群で比較検討を行い、2群の判別に有用な特徴量の探索を行う。 また、これらの特徴量と逆境的小児期体験、性差との相互的な関係について機械学習を用いた解析を行っていく。
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