研究課題
若手研究
双極性障害では、気分が安定した後にも認知機能障害が残存し、様々な場面で生活に支障をきたすことが知られている。認知機能は気分症状の影響を受けやすいため、本研究では気分症状の安定した時期に、事象関連電位、神経心理学的検査、主観的認知機能評価等をおこない、双極性障害の認知機能障害を多角的にとらえることを目的とした。本研究は、双極性障害の認知機能障害に対する新しい治療法の開発に寄与しうるものと考えている。
双極性障害は、躁状態、うつ状態などの病相を繰り返す、重篤で慢性かつ再発性の精神疾患である。躁病相あるいはうつ病相において、仕事や対人面といった社会機能の低下を認めることは以前より指摘されているが、気分症状のない症状寛解期においても、社会機能が十分に回復せず、いわゆる、「症状寛解と機能回復のずれ」が臨床場面で観察されることは少なくない。近年の知見の集積により、双極性障害では認知機能障害が、この「ずれ」と関連していることが明らかとなってきた。双極性障害の症状寛解期では、視覚学習、社会認知、処理速度、MATRICSコンセンサス認知機能評価バッテリー総合スコアにおいて、有意な機能低下を認めたと報告されるなど、客観的認知機能障害を呈することが知られている。さらに症状寛解期において、これらの客観的認知機能のみならず、主観的認知機能も障害されることが報告されている。このように、双極性障害では症状寛解期でも認知機能障害を呈するため、適切な維持療法および入念な心理社会的アプローチが必要であることが指摘されている。近年、症状寛解期における認知機能障害は、社会機能の障害との関連が注目されており、双極性障害の治療ターゲットとして認知機能障害を捉えることが重要と考えられるようになってきた。現在、認知機能障害は、双極性障害患者の機能回復と生活の質を向上させるための新しい治療標的となっている。本研究では、双極性障害症状寛解期における認知機能障害と事象関連電位、病識、社会機能との関連についての横断研究を行い、認知機能障害と関連する因子について、探索的検討を行った。
すべて 2023 2022 2021 2020 その他
すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (22件) (うち国際共著 2件、 査読あり 21件、 オープンアクセス 17件) 学会発表 (8件) (うち国際学会 1件) 備考 (1件)
Journal of Affective Disorders
巻: 330 ページ: 110-116
10.1016/j.jad.2023.02.144
Medical Science Digest
巻: 49 ページ: 44-46
PLOS ONE
巻: 17 号: 3 ページ: 1-15
10.1371/journal.pone.0266226
Archives of Clinical Psychiatry (Sao Paulo)
巻: 49 ページ: 19-25
BMC Public Health
巻: 22 号: 1 ページ: 566-566
10.1186/s12889-022-12936-0
International Journal of Environmental Research and Public Health
巻: 19 号: 23 ページ: 15841-15841
10.3390/ijerph192315841
Industrial health
巻: 59 号: 4 ページ: 229-238
10.2486/indhealth.2020-0251
130008086307
巻: 18 号: 9 ページ: 4516-4516
10.3390/ijerph18094516
巻: 18 号: 18 ページ: 9647-9647
10.3390/ijerph18189647
BioPsychoSocial Medicine
巻: 15 号: 1 ページ: 15-15
10.1186/s13030-021-00218-x
Neuropsychiatric Disease and Treatment
巻: Volume 17 ページ: 1299-1309
10.2147/ndt.s303751
Journal of Affective Disorders Reports
巻: 5 ページ: 100180-100180
10.1016/j.jadr.2021.100180
Psychiatry Research
巻: 296 ページ: 113655-113655
10.1016/j.psychres.2020.113655
巻: 282 ページ: 726-731
10.1016/j.jad.2020.12.138
巻: 3 ページ: 100050-100050
10.1016/j.jadr.2020.100050
巻: 3 ページ: 100056-100056
10.1016/j.jadr.2020.100056
巻: 4 ページ: 100108-100108
10.1016/j.jadr.2021.100108
巻: 290 ページ: 113125-113125
10.1016/j.psychres.2020.113125
PLoS ONE
巻: 15(10) 号: 10 ページ: 0239820-0239820
10.1371/journal.pone.0239820
巻: 276 ページ: 361-368
10.1016/j.jad.2020.07.107
巻: Volume 16 ページ: 1675-1684
10.2147/ndt.s256647
巻: 14 号: 1 ページ: 10-10
10.1186/s13030-020-00183-x
https://www.isbd.org/Cognitive-Assessments