研究課題/領域番号 |
20K16675
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分52030:精神神経科学関連
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研究機関 | 和歌山県立医科大学 |
研究代表者 |
喜多 彬 和歌山県立医科大学, 医学部, 助教 (20735914)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 老年期うつ病 / 反復経磁気刺激(rTMS)治療 / 認知機能障害 / アセチルコリン機能 / GABA機能 / rTMS |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は2019年6月に保険収載された治療抵抗性うつ病に対する反復性経頭蓋磁気刺激(rTMS)治療の有効性について、臨床的検討が不足している老年期うつ病への有効性を明らかにすることを目標としている。なかでも老年期うつ病に併存しやすい認知機能障害の病態を神経生理学的に客観的に評価することを目標にppTMSとSAIを用いてGABA機能、アセチルコリン機能を測定する点で独自性が高い研究であり、rTMS治療の生物学的基盤の解明につながる可能性がある。
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研究実績の概要 |
本研究は、老年期うつ病に対する反復経頭蓋磁気刺激(rTMS)治療の有効性、老年期うつ病に併存する認知機能障害でのアセチルコリン機能・GABA機能について健常群との比較、およびアセチルコリン機能・GABA機能についてrTMS治療による変化と関連性について調べることを目的としている。 具体的には老年期うつ病におけるrTMS治療前に、精神症状・認知機能評価とともに短潜時求心性抑制(SAI)と二連発経頭蓋磁気刺激(ppTMS)を測定してアセチルコリン、GABA機能を評価し、同年代の健常対照者との差異を明らかにする。また、rTMS治療後も同様の評価・測定を行い、治療反応性とアセチルコリン、GABA神経伝達機能の関連を検討し、老年期うつ病におけるrTMS治療の生物学的基盤の解明と反応予測指標の確立を目指すことが本研究の目的である。 2020年度に当院でのrTMS治療機器NeuroStar(Neuronetics社)の導入後、治療担当医師の技法を獲得し、rTMS治療についてrTMS適正使用指針(日本精神神経学会)に準拠し、保険治療を開始した。 2021年度、現在まで進捗として、県内唯一のrTMS治療の場として、疾患群の治療および研究のリクルートを行い、5例の測定・治療を終了している。 2022年度、コロナ下において、入院治療のrTMSが滞ったため、新たな症例の組み入れが出来なかった。国内学会・研究会への参加にて他施設の状況の収集を図った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
2022年度、1年間コロナ下において、新規のrTMSの入院治療および研究組み入れが滞っていた。 当初、健常群、疾患群を10名ずつリクルートし、研究成果をまとめる予定であったが、コロナ下でのリクルートが進まなかったため、国内学会・研究会参加での多施設の知見を収集し、自院外来および他院外来へのrTMS治療の広報に努めた。また昨年度の検討を行った、アセチルコリン機能・GABA機能について、その他の生体指標として考えられている頭部MRIでの構造およびfMRIでの機能画像評価を導入した。研究を延長し、さらなる症例の治療およびリクルートを図っている。
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今後の研究の推進方策 |
広報に努めたことで、外来でのrTMS治療希望の症例が増加してきているため、頭部MRIおよびfMRI画像検査での研究のリクルートを継続していく。また当院でのこれまで得た知見を国内学会・研究会にて発表していく予定である。
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