研究課題/領域番号 |
20K16680
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分52030:精神神経科学関連
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研究機関 | 兵庫医科大学 |
研究代表者 |
山西 恭輔 兵庫医科大学, 医学部, 助教 (50626786)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | うつ病 / 精神ストレス / 脳内炎症 / インターロイキン18 / ストレス反応 / ストレス / 神経免疫 |
研究開始時の研究の概要 |
炎症性サイトカインのインターロイキン18(IL-18)は、免疫機能に深く関与しているが、近年免疫以外の機能について明らかになってきた。申請者は、IL-18と生活習慣病との関連から、精神疾患との関連性を推測し、独自研究よりIL-18が中枢神経細胞に深い関わりがあり、IL-18が欠損する事で海馬機能不全を呈し、記銘力障害、抑うつ様行動変化等の精神症状を呈する事を報告した。本研究はさらに、IL-18を中心とした免疫と精神疾患(精神症状)との関連を明らかにすることを目的としている。さらに最終的には抑うつやストレスが関わる精神疾患に対するIL-18の治療応用を目指し、研究を行う。
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研究成果の概要 |
インターロイキン18(IL18)は炎症性サイトカインであり、うつ病などの精神疾患と関係がある。我々は以前、IL18の欠損が海馬の障害を引き起こし、うつ病様行動変化をもたらす可能性があることを発見した。しかし、ストレス下でのIL18の潜在的な役割は不明なままである。本研究では急性ストレス時のIL18の影響を検討した。IL18欠損マウスは、ストレスに対し敏感な反応を示すことが明らかになった。さらに、ストレスによる神経炎症とグルココルチコイドシグナルの増大が生じた。結論として、IL18はストレス応答を調節し、神経炎症とグルココルチコイドシグナル伝達のバランスを維持する不可欠な因子である可能性がある。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
現代社会において、ハラスメントなど様々なストレスが存在している。このようなストレスは、眼で見てわかるものではなく、評価や原因の評価が困難である。今回の我々の研究は、ストレスに対して免疫機能が重要な役割を果たしており、特に炎症性サイトカインのインターロイキン18がストレスによって生じた脳内炎症のコントロールに重要な役割を果たしていることが明らかになった。目に見えないストレスに対する脳内反応を明らかにすることで、今後インターロイキン18を中心にシグナル経路を解析することで、ストレスに対する心因反応を緩和させるなど治療応用化の可能性につながり、社会還元が可能と思われる。
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