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胸部放射線治療中の腫瘍縮小および体内変化により変動する心臓被曝線量評価の研究

研究課題

研究課題/領域番号 20K16688
研究種目

若手研究

配分区分基金
審査区分 小区分52040:放射線科学関連
研究機関東北大学

研究代表者

高橋 紀善  東北大学, 大学病院, 助教 (40791702)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2021年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
キーワード食道癌 / 放射線化学療法 / 心臓被曝線量 / Adaptive radiotherapy / MRI-guided radiotherapy / MRライナック / MR Linac
研究開始時の研究の概要

食道癌に対し放射線化学療法を施行する際、放射線を照射する範囲は治療前に決定され、照射中には腫瘍の縮小などを考慮し、1度変更される。しかし、腫瘍は日々縮小しているため、体内の放射線が照射される範囲には変化が生じている。下部食道癌の場合、腫瘍縮小により特に正常臓器である心臓の被曝量に変化が生じている。本研究では、照射前・照射中毎週の合計7回MRI撮影し、その画像をもとに心臓被曝線量が治療中にどの程度変化しているかを測定する。また、MRIをもとに放射線が当たる範囲を毎週変更した場合や照射中に3回変更した場合などを比較検証し、一連の放射線治療中にいつ・何度照射範囲を再決定するのが良いかを検討する。

研究実績の概要

2023年度は2022年度までと同様に症例の集積を行ないました。私の研究は、下部食道癌でありT2以上のステージを対象としており、少しずつではあるが症例が増えてきています。食道癌の放射線治療中にMRIを用いて腫瘍形状の変化を評価することに焦点を当てています。この研究の主な目的は、治療途中での腫瘍の形状変化が治療成績にどのように影響するかを解明することであり、そのために症例数を増やしつつ、定期的なMRI画像を取得しています。
食道癌の放射線治療では、腫瘍の位置、大きさ、形状が治療前後で大きく変わる可能性があるため、精密な画像診断が非常に重要です。この研究では、治療前と治療後のMRI画像を比較し、腫瘍の縮小や形状変化を定量的に分析しています。これにより、放射線の照射範囲や線量の調整が可能になり、より効果的かつ副作用の少ない治療を目指しています。
研究成果は、国内外の学術会議で積極的に発表しており、関西地方会でのランチオンセミナー(2023年10月17日)、東北放射線医療技術大会でのシンポジウム(2023年11月3日)、及び岩手県立病院放射線技師会学術大会での特別口演(2023年11月18日)において、多くの放射線技師や医師と知見を共有しました。これらの学術交流を通じて、新たな研究のアイデアや臨床への応用の可能性を探ることができました。
この研究プロジェクトは、食道癌治療の効果を最大化するための新たなアプローチを模索するものです。MRIを利用することで、治療過程における腫瘍の動態を正確に捉え、放射線治療のターゲット精度を向上させることが可能です。また、症例数の増加とともに得られたデータは、治療の最適化に貢献可能と考えており、今後の研究発展に向けて重要な基盤を築いています。国内の学術会での積極的な発表と議論は、この分野における知識の拡散と技術革新を促進していることを示しています。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

2023年度の進捗状況は当初予定しているものよりも遅れてしまっている。今回私の研究では下部食道癌の症例を対象としているが、下部食道癌の症例で放射線治療の回ってくる症例数が減ってきている。原因としては、JCOG1109の結果が出たことにより、放射線化学療法に回る患者数が激減していることが挙げられる。JCOG1109により術前化学療法の新しいレジメンとしてシスプラチンと5FUにさらにドセタキセルを追加した薬物療法が標準となった。この研究の勢いもあり、多くの患者さんが放射線化学療法よりも手術を選ぶ率が高くなってきている。
こういった背景もあり食道癌に対する根治的放射線化学療法は症例数が限られてしまうという難点が出てきており、これが症例数の集積に響いてしまっている。

今後の研究の推進方策

今後はまずは症例数を増やすことを第一としていくが、研究の期間も限られているため、得られた画像からだけでも解析を進めていきたいと考えている。患者一人当たり7回のMRI画像を取得しているため、MRI画像は比較的多く得られている。これらの今ある画像から当初予定していた解析を少しでも進めていきたいと考えている。

報告書

(4件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 2021 実施状況報告書
  • 2020 実施状況報告書
  • 研究成果

    (3件)

すべて 2023

すべて 学会発表 (3件) (うち招待講演 3件)

  • [学会発表] 1.5 T MR-Linacの使用経験2023

    • 著者名/発表者名
      高橋紀善
    • 学会等名
      第335回 公益社団法人 日本医学放射線学会 関西地方会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] 1.5 T MR-Linacの使用経験2023

    • 著者名/発表者名
      高橋紀善
    • 学会等名
      第13回 東北放射線医療技術学術大会 シンポジウム
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] 1.5 T MR-Linacの使用経験2023

    • 著者名/発表者名
      高橋紀善
    • 学会等名
      令和5年度岩手県立病院放射線技師会学術大会 特別公演
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 招待講演

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公開日: 2020-04-28   更新日: 2024-12-25  

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