研究課題/領域番号 |
20K16690
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分52040:放射線科学関連
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研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
六本木 麗子 群馬大学, 未来先端研究機構, 助教 (80719857)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 放射線照射 / シナプス / シナプス形態形成 / 細胞死 / DNA 損傷 / 放射線 / 認知機能障害 / 神経細胞 / 放射線影響 / ドレブリン / 海馬 / 樹状突起スパイン |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は放射線照射による神経細胞への影響について解析することを目的とする。主にげっ歯類の海馬培養神経細胞を用いて、非照射群と照射群とでシナプスレベルでのたんぱく質の局在や発現量、形態形成の比較を検討する。またその放射線照射によるシナプスへの影響が治療の副作用である記憶障害との関連について言及する。脳腫瘍の放射線治療による認知機能の低下が起こるメカニズムを明らかにすることで、治療の向上や副作用を最小限に抑える治療薬の開発となる基礎研究につながると考えられる。
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研究成果の概要 |
神経細胞はグリア細胞や血管内皮細胞よりも放射線抵抗性が高い。しかし、治療のための中枢神経系(CNS)への急性・慢性照射は、記憶障害や言語障害などの副作用が引き起こされる。我々は、既に知られているX線照射による神経細胞の形態変化と比較して、より効果的な放射線治療である炭素線照射による神経細胞の形態変化について解析した。結果として、炭素線は細胞死を誘導するが、細胞の発達には影響を与えないことが示唆された。また、炭素線が未熟な神経細胞に影響を与え、DNA損傷、シナプス蛋白質の発現レベルの低下を引き起こした。これらの結果から炭素線照射による神経細胞の機能低下はDNA損傷が引き金であると示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
がん患者の増加に伴い、放射線治療は広くわたって知られるようになった今、放射線治療による副作用があることも事実である。様々ながんの中でも脳腫瘍による放射線治療の副作用は極めて重い。副作用は患者の年齢や照射範囲によって個人差はあるが、特に問題となっているのが認知機能障害(高次機能障害)である。しかしながら、脳腫瘍には放射線治療が有効なのが実情。本研究課題、放射線照射による正常の脳神経細胞にどのような影響を与えるのかを明らかにすることで、治療治療の向上や副作用を最小限に抑える治療薬の開発となる基礎研究につながると考えられる。
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