研究課題/領域番号 |
20K16702
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分52040:放射線科学関連
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研究機関 | 香川大学 |
研究代表者 |
高見 康景 香川大学, 医学部附属病院, 病院助教 (70759901)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 膠芽腫 / CEST / APTイメージング / 11C-MET PET / IDH遺伝子変異 / 神経膠腫 / 定量評価 / MRI |
研究開始時の研究の概要 |
膠芽腫の診断や治療効果判定にMRI検査が主に行われているが、遺伝子変異の画像による予測法は確立されていない。今回の研究では、新たな取り組みとして、膠芽腫の遺伝子変異の有無を代謝とタンパク濃度の組み合わせにより検討する。代謝は、分子イメージング法であるPETを用いて、タンパク濃度はchemical exchange saturation transfer(CEST)法の一手法であるAPTイメージングを用いて評価する。治療前後の画像の評価項目と遺伝子変異の有無や予後を比較検討することで、画像による遺伝子変異や治療抵抗性の予測により膠芽腫の予後の層別化や治療法の最適化を目指す。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、11C-MET PET検査とAPTイメージングを組み合わせて膠芽腫の遺伝子変異の有無を予測する手法を確立し、膠芽腫の化学療法や放射線治療に対する早期の治療抵抗性の有無や予後の層別化を検討することである。2023年度は2022年度に引き続いて膠芽腫を含めた神経膠腫でAPTイメージングによる評価を行うこととした。 第51回日本磁気共鳴医学会大会では、神経膠腫の細胞増殖能およびグレードに関して、マルチプールモデルを用いたCESTのパラメータと従来のパラメータであるMTRasymとADCとを比較検討することで、新しいCESTのパラメータの臨床的意義を明らかにするために、各パラメータと腫瘍の細胞増殖能を反映するKi-67及びグレードとの関係性を評価した。マルチプールモデルを用いたAPTイメージングの新しいパラメータであるAPT_T1、T2/T1は、従来のパラメータであるMTRasym及びADCと同様に神経膠腫の細胞増殖能と相関している可能性が示唆された。また、神経膠腫のグレード評価において、既存のパラメータであるADCとMTRasymよりもAPT_T1が有用である可能性が示唆された。第63回日本核医学会学術総会では、膠芽腫の放射線化学療法の治療効果判定においてMRIのマルチプールモデルを用いたCEST法の有用性を評価した。その結果として、メチオニンの集積と同様APT_T1やAPT_T2は膠芽腫の治療効果判定に有用である可能性が示唆された。RSNA 2023では、神経膠腫において、IDH1遺伝子変異の有無の鑑別にマルチプールモデルを用いたCESTのパラメータの有用性を検討した。その結果として、APT_T1やT2/T1が有用である可能性が示唆された。 2024年9月に第52回日本磁気共鳴医学会大会で学会発表を予定しており、国内外の研究者と意見交換する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初予定していたAPTイメージングによる治療抵抗性や予後との関係性を評価できていないため。
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今後の研究の推進方策 |
経過観察期間が1年を超えた膠芽腫の症例について、当初の目的である11C-MET PET検査とAPTイメージングを組み合わせて膠芽腫の治療抵抗性や予後との関係を評価する予定である。また、神経膠腫において、マルチプールモデルを用いたAPTイメージングのパラメータとメチオニン集積、IVIMのパラメータとの関係性や、マルチプールモデルを用いたAPTイメージングのパラメータと悪性度評価やki67との関係性に関するデータなどをまとめ、論文を執筆する予定である。
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