研究課題/領域番号 |
20K16717
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分52040:放射線科学関連
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研究機関 | 大阪大学 (2021-2022) 弘前大学 (2020) |
研究代表者 |
一瀬 浩司 大阪大学, 大学院医学系研究科, 招へい教員 (50832903)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2020年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | TH-302 / FRP170 / 腫瘍内低酸素 / 治療抵抗性分画 / 低酸素イメージング / 低酸素毒 / 放射線治療増感剤 / FRP170-PET / 放射線治療 / FRP-170-PET / 腫瘍低酸素 |
研究開始時の研究の概要 |
固形腫瘍における低酸素環境は放射線治療抵抗性獲得の重要な因子であり、放射線治療効果の向上を目指す上で、この分画を標的とした新たな放射線治療増感法の探索と確立は避けられない課題である。本研究では、近年開発され、卓越した低酸素選択毒性を有するTH-302が、低酸素分画の制御に基づき放射線治療との併用において治療効果を増強し得るかを評価する。また、低酸素組織をわずか1時間で可視化できる新規低酸素PET、18F-FRP170-PETによって、TH-302の効果を確実に享受できるターゲットの弁別が可能であることを明らかにし、TH-302併用放射線療法の臨床応用の実現を目指す。
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研究成果の概要 |
放射線治療効果の改善を目指す上で、治療抵抗性の低酸素細胞を標的とした増感法と、その効果を享受できる症例を弁別する低酸素イメージング法の確立が課題となる。本研究では、低酸素毒TH-302と低酸素トレーサー18F-FRP170に着目した。ヒト舌癌細胞株SASに対して、TH-302は従来の低酸素毒より高い低酸素選択的毒性を示した。SAS腫瘍移植マウスの18F-FRP170-PET画像を解析した結果、集積の評価は投与後120分で行うのが妥当と考えられた。腫瘍におけるpimonidazole陽性領域を評価した結果、18F-FRP170-PETでの集積は、腫瘍内の低酸素領域を反映する可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
近年開発された低酸素トレーサー18F-FRP170は、従来のFMISOの脂溶性を低減させ組織移行性、クリアランスを改善させた薬剤であり、生体における低酸素組織をより短時間で可視化することができる。18F-FRP170-PETを低酸素イメージングに用いることで、検査に要する煩雑さを軽減することができれば、日常臨床における低酸素増感剤の臨床応用はより現実性を増すだろう。極めて有望な薬剤であるものの、18F-FRP170に関する基礎的な検討はまだ十分には行われていない。本課題で得られた結果は、今後18F-FRP170-PETを用いた低酸素イメージングの研究を進める上で重要な知見となりえる。
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