研究課題/領域番号 |
20K16724
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分52040:放射線科学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
玉利 慶介 大阪大学, 大学院医学系研究科, 助教 (30718995)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 細胞外小胞 / 放射線治療 / リキッドバイオプシー / PD-L1 / 放射線腫瘍学 / エクソソーム |
研究開始時の研究の概要 |
放射線治療分野においてはバイオマーカーによる個別化医療は研究があまり進んでいない状況にある。本研究では、患者の血液サンプルから癌の放射線感受性の高さに相関するバイオマーカーの同定を目指す。具体的にはエクソソームに含まれるPD-L1が生体内での放射線抵抗性に関わるかを検証する。まずは主要移植マウスを用いたエクソソーム投与実験の解析を行い、患者血液から抽出したエクソソームのPD-L1の定量解析を行った上でその患者の放射線治療効果と関連づけて、エクソソームのPD-L1が放射線治療予測のバイオマーカーとなりえるかを検証する。
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研究成果の概要 |
PDL1は主に癌細胞表面に発現するタンパクで、細胞傷害性 T 細胞表面の PD-1 に結合すると、T 細胞を抑制し腫瘍免疫を不活化する。PDL1は細胞外にも存在し、例えば細胞外小胞であるexosome上に存在すること(exosomal PDL1)が知られており、癌患者の腫瘍免疫や予後予測のバイオマーカーになる可能性が近年示唆されている。今回、研究期間内に頭頸部癌患者の放射線治療前の血漿中のexosomal PDL1を測定し、その濃度が高いことが独立した予後因子であることを示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
リキッドバイオプシーによるがんの治療の予後予測は重要な研究課題の一つである。また放射線治療の分野でリキッドバイオプシーの研究はあまり進んでいない状況である。今回の研究で、血液中のexosomal PDL1を測定することで、頭頸部癌患者の放射線治療後の予後予測がリキッドバイオプシーでできる可能性が示唆された。将来的な臨床実装に向けては、頭頸部以外の癌でも予後に関わるのかどうかなど、さらなる検討が必要である。
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