研究課題/領域番号 |
20K16727
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分52040:放射線科学関連
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
河原 大輔 広島大学, 病院(医), 助教 (20630461)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 医学物理学 / 放射線治療 / 造影剤 / 被ばく線量 / Computed Tomography / 放射線増感効果 / 線量計算 |
研究開始時の研究の概要 |
放射線診断において被ばく線量の管理は、2次発がんや被ばくによる副作用のリスク管理上必須であり、被ばく線量指標の計算式より求めているが造影剤を考慮した被ばく線量ではない。本研究では放射線診断で造影剤が含まれる領域の被ばく線量を定量化する。更に従来の被ばく線量計算法を改良し、造影剤の影響を追加した新たな被ばく線量計算法を構築し正確な被ばく線量管理の実現を目指す。この線量増加を放射線治療に活用することで腫瘍に集中的に線量投与が可能となると考えている。汎用装置である低エネルギーX線装置を使用し様々な造影剤濃度やエネルギーでの線量増加の影響を明らかにすることで造影剤増感放射線治療法の実現性の検討を行う。
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研究成果の概要 |
本研究の目的は、従来被ばく線量で考慮しなかった造影剤による低エネルギーX線の増感効果を定量化し、低エネルギーX線における造影下の被ばく線量を明らかにする。さらに腫瘍に造影剤が含まれる場合の線量増感効果を利用した新規放射線治療法の実現性の検討を行うことである。 放射線診断における造影剤使用の被ばく線量の定量化では低濃度であっても20%以上の線量増加があり、様々な造影剤濃度における線量増加係数モデルを構築した。また、高濃度の造影剤が存在する場合、LiPERTという新規治療法の提案に成功した。本研究成果を汎用化できるように検討を進め、高精度放射線治療システムの一部として普及を推進していく。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究はCT撮影における被ばく線量の概念を変えるもので、従来考慮されていなかった造影剤による低エネルギーX線の増感効果を定量化し、また被ばく線量増加係数としてモデル化したため一般化して従来の被ばく線量計算、測定と併用して使用が可能である。これにより、患者の被ばく線量をより正確に把握できリスクも明確になる。 また、増感効果を利用した新規治療法としてLiPERTを提案した。これは従来のような大型の放射線治療装置(リニアック)ではなく、多くの病院にあるCT装置を想定した新規治療法となる。従来の放射線治療法に比べて同等以上の治療効果も期待できることから新規放射線治療法として活用できる可能性をもっている。
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