研究課題/領域番号 |
20K16735
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分52040:放射線科学関連
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研究機関 | 岩手医科大学 |
研究代表者 |
吉田 純 岩手医科大学, 医学部, 助教 (50869047)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 頚部頚動脈狭窄症 / 鉄沈着 / 7 Tesla MRI / 認知機能 / 過灌流 / 定量的磁化率マッピング / 頚動脈内膜剥離術 / 頚部内頚動脈狭窄症 / 超高磁場ヒト用7 Tesla MRI / QSM / 認知機能低下 / 脳血流SPECT / 神経心理検査 |
研究開始時の研究の概要 |
脳主幹動脈狭窄・閉塞症に対する血行再建術における合併症の一つに過灌流がある。この過灌流は、認知機能障害を来すことが知られているが、過灌流が認知機能へ与える詳細なメカニズムはいまだ解明されていない。認知機能へ影響を与える脳内の存在因子として、鉄の存在が知られている。したがって、脳内鉄沈着の定量化は認知機能障害の進行度推定に重要な役割を果たす可能性がある。近年ではquantitative susceptibility mappingによる高精度な鉄定量化が試みられている。そこで、頚動脈内膜剥離術後過灌流を呈した症例の鉄沈着の増加を検出し、その結果が認知機能低下と関連するかを明らかにする事とした。
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研究成果の概要 |
本研究は7 Tesla MRI(7TMRI)の定量的磁化率マッピング(QSM)を用いて、内頚動脈狭窄症に対する頚動脈内膜剥離術(CEA)後過灌流症例における術前後での鉄沈着を検出し、認知機能との関連を検証した。当施設の7TMRIのマルチエコー法では、画像の歪みが強くなる欠点が明らかになった。故に7TMRIに比べ、歪みの少ない3TMRIで同施設の他の研究班が同解析を適用した。その結果、術前の皮質磁化率と術後の脳血流の変化は、術後認知機能と関連する事が分かった。7Tでの撮像は継続しているが、歪みの問題を解消できればより鉄沈着をより高感度に検出できる事が期待される。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究により、術前の鉄沈着の程度によりCEA後に認知機能が改善する事が予測でき、手術治療を行う事での利益を術前からの把握する事が可能となる。この事実は患者が手術の結果をより正確に理解した上で同意の判断を可能とすると考える。また、3TMRIにて適切なQSM画像を安定して作成する事が出来た。今後は7TMRIQSMの歪みの問題を解消して、7TMRIでのより高精細なQSM画像を作成する事を目標とする。その結果が認知機能改善に対する予測精度のさらなる上昇に寄与するものと考える。
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