研究課題/領域番号 |
20K16743
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分52040:放射線科学関連
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研究機関 | 金沢大学 (2021) 神戸薬科大学 (2020) |
研究代表者 |
宗兼 将之 金沢大学, 薬学系, 助教 (80804806)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | 核医学診断・治療 / リポソーム / 薬物放出制御 / ナノディスク / 放出制御 |
研究開始時の研究の概要 |
薬物輸送担体であるリポソームはがん組織へ良好な集積を示すことが知られており、リポソームに放射性標識体を内封することで、放射性標識体をがん組織へ選択的に送達できる。一方で、リポソームは血中滞留性が高く、疾患部位と正常部位とのコントラストが悪いという欠点を有している。そこで、リポソームを形態変化させる物質を後から静脈内投与し、生体内で内水層を持たないナノディスクに変換することで、内封していた尿排泄性の放射性標識体を放出させる。血中で放出された放射性標識体は、血中から速やかに消失し尿排泄される。これにより、がん組織へは高集積で、正常組織(血中等)には低集積の新たな診断・治療法を構築する。
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研究成果の概要 |
本研究では、「内水層に水溶性薬物を封入できるリポソーム」から「内水層を持たないナノディスク」へ粒子形態変化させることで薬物を放出させるという新たな機構の放出制御法を開発した。開発した新規薬物放出制御法は、形態変化惹起物質の濃度やリポソームの脂質組成により薬物放出性を制御できることを明らかにしたが、血清中での放出性は著しく低かった。生体直交型反応を利用した特異性の付与等も検討したが、血清中での放出性は改善できず、粒子形態変化惹起物質を用いた薬物放出制御法の実用化には、血清成分に阻害されない分子設計が必要であると考えられた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
薬物放出制御法は、安価な低分子医薬品の体内動態を制御して薬効の増強、副作用の低減を可能とする優れた技術であり、新規薬物制御法の開発はわが国の医療福祉および医療経済に大きく貢献するものであり、本研究で得られた基礎的なデータは、新規薬物制御法の開発に貢献するものと期待される。また、本薬物放出制御法の核医学診断・治療への応用は、がんの精度の高い診断および安全性の高い治療を可能にする新規技術であり、わが国の医療福祉に貢献するものと期待される。
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