研究課題
若手研究
本研究の目的である希少疾患画像研究のための多施設間症例共有ネットワーク及びそのプラットフォーム構築のため、京都大学医学部附属病院、そしてその関連病院、他大学医学部附属病院、がんセンターと連携して「低悪性度内膜間質腫瘍と非典型的子宮筋腫とのMRIによる鑑別法の確立」、「子宮頸部胃型粘液性癌のstagingにおけるpitfall・再発リスク因子の検討」に取り組む。過程で生じた運用課題の整理により、過不足のない効率的ワークフロー確立、希少疾患画像診断研究のための症例収集・領域毎の専門家紹介・online meetingが可能な「仮想希少疾患画像研究センター」を作り、日本の希少疾患画像研究を推進する。
計7施設による多施設研究により、低悪性度内膜間質腫瘍と非典型的な子宮筋腫とのMRIによる鑑別法をScientific reportsに報告し、得られた知見を講演等で還元した。また、統計学・データ分析的手法を用いて、子宮体癌術前リンパ節転移予測モデルを2施設共同研究にて作成し、その結果を北米放射線学会、European Radiologyに報告した。そして、多施設の産科婦人科領域画像診断を専門とする放射線診断医の協力の元、産科婦人科領域画像診断多施設共同研究プラットフォームGOING-RSを作り、子宮頸部胃型形質病変の画像診断の多施設研究を進めている。
本研究の学術的意義は、希少疾患である低悪性度内膜間質肉腫の症例を多施設で収集して解析することでMRIの臨床的有用性を見出した点、そして複数の多施設研究の経験に基づき、専門家の集団的知性を生み出す産科婦人科領域画像診断多施設共同研究プラットフォームの礎を作ることができた点にある。社会的意義としては、現在も本プラットフォームを利用した多施設共同研究が複数進行中であり、今後更に拡大すると予想される。本プラットフォームは、将来の産科婦人科領域の画像診断研究、さらには他領域の画像診断の多施設研究の加速に貢献することが期待される。
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すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件) 図書 (2件)
European Radiology
巻: 0 号: 5 ページ: 3375-3384
10.1007/s00330-023-10310-1
臨床放射線
巻: 68 ページ: 429-432
Scientific Reports
巻: 11 号: 1 ページ: 19124-19124
10.1038/s41598-021-98473-z