研究課題
若手研究
本研究の目的である希少疾患画像研究のための多施設間症例共有ネットワーク及びそのプラットフォーム構築のため、京都大学医学部附属病院、そしてその関連病院、他大学医学部附属病院、がんセンターと連携して「低悪性度内膜間質腫瘍と非典型的子宮筋腫とのMRIによる鑑別法の確立」、「子宮頸部胃型粘液性癌のstagingにおけるpitfall・再発リスク因子の検討」に取り組む。過程で生じた運用課題の整理により、過不足のない効率的ワークフロー確立、希少疾患画像診断研究のための症例収集・領域毎の専門家紹介・online meetingが可能な「仮想希少疾患画像研究センター」を作り、日本の希少疾患画像研究を推進する。
本研究の目的は、婦人科希少がんを皮切りとした、画像診断領域臨床研究のための多施設間での症例共有ネットワーク及びプラットフォーム構築の礎を作ることであった。最終年度である昨年度には、1つ目の研究課題である「低悪性度内膜間質肉腫と筋腫とのMRIを用いた鑑別法の確立」で収集した低悪性度内膜間質肉腫25例の解析から得られたMRIの知見について、和文雑誌である臨床放射線への投稿、JSAWI 2023での講演、を通して還元した。2つ目の課題である、「子宮体癌術前リンパ節転移予測モデルの作成」については、European Radiologyに論文化した。さらに、産科婦人科領域画像診断多施設共同研究のプラットフォームであるGOING-RSで取り組んでいる「子宮頸部胃型形質病変の画像診断の多施設共同研究」では、5施設58症例の胃型腺癌を収集することができ、その進展範囲における画像診断の術前診断能について解析を終了し、現在論文を投稿中である。研究期間全体を通しての総括としては、7施設での低悪性度内膜間質肉腫に関する研究、2施設での子宮体癌に関する研究での経験を通じて、産科婦人科画像診断を専門とする多施設の放射線診断医と協力してGOING-RSの礎を作り、そこでの子宮頸部胃型形質病変の画像診断に関する多施設研究を行うことができ、当初の計画を達成できた。本プラットフォームを使用しての研究は現在も複数行われており、今後更に拡大すると予想される。本プラットフォームは、将来の産科婦人科領域の画像診断研究、さらには他領域の画像診断の多施設研究の加速に貢献することが期待される。
すべて 2023 2022 2021
すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件) 図書 (2件)
European Radiology
巻: 0 号: 5 ページ: 3375-3384
10.1007/s00330-023-10310-1
臨床放射線
巻: 68 ページ: 429-432
Scientific Reports
巻: 11 号: 1 ページ: 19124-19124
10.1038/s41598-021-98473-z