研究課題/領域番号 |
20K16762
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分52040:放射線科学関連
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研究機関 | 琉球大学 |
研究代表者 |
土屋 奈々絵 琉球大学, 病院, 講師 (70647354)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2021年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 4D flow MRI / バッド・キアリ症候群 / バッドキアリ / 4D flow / MRI / 4D Flow / バッドキアリ症候群 |
研究開始時の研究の概要 |
バッド・キアリ症候群とは,肝静脈から下大静脈の閉塞や狭窄により門脈圧亢進症に至る症候群で,静脈血流の画像評価が確定診断・治療方針の決定・治療効果の判定に大きな役割を果たす。4DFlow MRIは非造影で血管の形態,血流の方向や流線,血流の流速・流量などの定量値を客観的・非侵襲的に評価することができる。本研究ではバッド・キアリ症候群患者に対して4D Flow MRIを施行し,最適な画像解析手法を開発,疾患の重症度や治療効果,予後判定の新たなイメージングバイオマーカーの探索を目論む。
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研究実績の概要 |
4DflowMRIがバッドキアリ症候群の評価に有用であるか検討するため、患者の下大静脈、肝静脈、門脈、側副血行路の血流を4D flow MRIで視認できるかVENCごとの変化に注目して調査を行った。4D flow画像での肝静脈、門脈、側副血行路と、下大静脈は狭窄部、狭窄部より近位、狭窄部より遠位で視認性を評価した。視認性は良好・可・不良の3段階で評価し、造影CTやその他のMRIシークエンス等で閉塞が確認されている症例は閉塞と分類した。女性2例男性4例で、すべて30代~40代、重症度Ⅱの治療を要しない例が1例、ほかは治療を要する重症度Ⅲの症例で、術後改善した症例が3、一度改善したが再発した症例が2例であった。そのうち2例は術前後で撮影が行われた。下大静脈の狭窄部と肝静脈、門脈、側副血行路は閉塞がなければ全検査(いずれかのVENC)で血流の描出を視認できた。下大静脈近位および遠位で描出不良例があり、これらはすべて下大静脈閉塞例に含まれた。下大静脈狭窄部および狭窄近位ではVENCが高いほうが描出良好で、肝静脈・門脈・側副血行路はVENCの低いほうが描出良好であった。右肝静脈は開存術が行われることが多く、術前・術後で血行動態が変化している症例が混在しており、VENCの違いによる描出の傾向は様々であった。肝静脈は開存の度合いによって描出の傾向が変わると予想された。結論としてバッドキアリ症候群の血流は4D flow MRIで描出できることが示された。VENCの違いで視認性が異なり、下大静脈狭窄部は高いVENCで、肝静脈、門脈、側副血行路は低いVENCで描出良好となる傾向があった。バッドキアリ症候群の4D flow MRI評価は複数のVENCで評価する必要がある
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
前向きデータは十分に症例の蓄積ができず、これまで蓄積された症例を後方視的に調査した。術前後でMRI評価を行っている症例が含まれており、手術前後での治療効果判定や術後の経過観察にも4D flow MRIが有用と予想される。さらに症例を蓄積していきたい。
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今後の研究の推進方策 |
バッド・キアリ症候群の手術前後での4D flow MRI解析を行い、術前後の評価にどういったパラメータが役立つか解析を進める。
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