研究課題/領域番号 |
20K16772
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分52040:放射線科学関連
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
橋本 正弘 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 特任助教 (20528393)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | 深層学習 / 腎癌 / AI / 説明可能 / 画像診断 / 腎腫瘤 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、複数の施設で撮影された腎腫瘤のCTおよびMRI画像に対し、腎腫瘤診断を専門とする放射線科医が考えている腎腫瘤画像所見の特徴を検討し、1例1例について画像診断専門医による詳細で質の高い教師データを作成し、深層学習技術を用いて診断方法の標準化を見据えた「診断根拠提示可能なAI」の開発を目指す。
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研究実績の概要 |
2005年から2021年までの慶應義塾大学病院の病理診断の確定した腎癌304例およびJ-MIDデータベースから抽出した410例のCT画像の画像のresion of interestの設定、腫瘍部分のsegmentationを完了した。さらに、慶應義塾大学病院の腎癌症例の内、ダイナミックCTの4相全てが撮影されている200例については、詳細な画像所見(造影前腫瘍濃度、早期濃染の程度、早期濃染の不均一さ、wash-outの程度、嚢胞成分の程度、壊死の程度をそれぞれ9段階評価)のアノテーションを付与し、説明可能AI開発のための教師データとして利用した。 作成した教師データを利用し、multi class学習を実施し、腎癌のサブタイプ分類を実施した。追加の学習データを付与しmulti class学習を実施したモデルを用いた場合、説明性(画像の詳細な所見)の出力が可能になったものの、腎癌のサブクラス分類のみを行う深層学習モデルに比べて精度がやや劣る結果となった。 腎癌位置およびサイズの推定を行う前処理を追加し、さらにImageNet画像でトレーニングしたモデルの転移学習を行い、精度はやや改善した。しかしながらモデルが2D画像を対象としたものであり、モデルを3D化することにより更に精度の改善が行えると考えた。このため、病理で腎癌と確定していないダイナミックCT画像を用いて3Dのモデルの事前学習を実施し、fine tuningを行うことを目的に、慶應義塾大学病院のPACSから病理で腎癌と確定していないダイナミックCT画像を1300件抽出し、事前学習モデルを作成した。事前学習モデルを用いたが、精度向上には至らなかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
詳細な所見の教師データ作成業務を委託する予定であったが、作業を病院内で実施する必要があった。しかしながら、新型コロナウイルス感染症対策のため、病院への入場規制が実施されており、外部への作業の委託が実現できなかったため。
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今後の研究の推進方策 |
外部データで事前学習を行ったTotalSegmentatorのモデルを蒸留し、さらに昨年度抽出した腎Dynamic CTでfine tuningすることで、基本的な3D segmentaiton精度を向上させたモデルを応用することを計画している。
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