研究課題/領域番号 |
20K16779
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分52040:放射線科学関連
|
研究機関 | 愛知県がんセンター(研究所) (2020, 2023) 公益財団法人がん研究会 (2021-2022) |
研究代表者 |
佐藤 洋造 愛知県がんセンター(研究所), 分子腫瘍学分野, 研究員 (40522694)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
|
キーワード | 肝動脈化学塞栓療法 / MRI / 肝細胞特異性造影剤 / テクスチャー解析 / 切除不能肝細胞癌 / 分子標的薬 |
研究開始時の研究の概要 |
近年の進行肝細胞癌に対する全身化学療法の開発に伴い、現病のコントロールだけでなく肝機能を維持しつつ次治療に移行することの重要性が増してきている。 本研究では、肝細胞特異性造影剤を用いたMRIにおける肝の造影率を算出し、造影率イメージングにて肝機能を評価する。 肝動脈化学塞栓療法前後における造影率イメージングをテクスチャー解析することにより、分子標的薬の使用条件であるChild-Pugh class Aの肝機能を逸脱するような肝機能低下を早期検出・予測し、至適タイミングでの分子標的薬への治療変更を可能にする指標を確立する。
|
研究実績の概要 |
本研究の目的は、切除不能肝細胞癌に対する肝動脈化学塞栓療法(trans-arterial chemoembolization: TACE)による肝機能低下をMRI画像のテクスチャー解析を用いて評価・予知し、肝機能低下をきたす前に分子標的薬への治療変更を可能にすることである。 近年肝細胞癌の全身薬物療法の進歩は著しいが、いずれの分子標的薬もChild-Pugh class Aの肝機能が良好な症例への使用が推奨されている。最近ではTACEを繰り返すことにより、Child-Pugh class Aを逸脱するような肝機能の悪化をきたし、次治療である分子標的薬への移行が困難となる可能性が指摘され、至適タイミングでの治療変更を可能にするために肝機能低下を早期検出・予測し得る指標が望まれている。 研究代表者らは、肝細胞特異性MRI造影剤(EOB)の肝細胞相における肝の造影率を算出することにより、肝機能をRLE値(relative liver enhancement ratio)として検出し、肝機能イメージングとして有用な肝細胞特異性造影剤の造影率イメージング(RLEI)を開発した。RLEIは肝細胞の存在および分散に基づいた信号強度を呈する定量的な肝機能画像である。RLEIをテクスチャー解析することにより、肝機能および肝機能の不均一性を早期評価・予知し、至適タイミングでの分子標的薬への治療変更が可能になると考えられる。 現在、肝細胞癌に対して肝動脈塞栓療法を施行した症例の、データの解析準備と症例集積を行っている。また症例集積がやや遅れており、転移性肝腫瘍でMRIを撮像した症例の検討も加えている。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
近年全身薬物療法の発展によりTACE施行症例が全国的に減少しており、症例集積が遅れている。肝細胞癌患者の肝動脈塞栓療法施行症例のデータを集積しつつ、他の肝機能との相関も確認するため転移性肝腫瘍でMRIを撮像した症例の検討も加えている。 現在、転移性肝腫瘍でのデータは一定数の集積ができている。
|
今後の研究の推進方策 |
今後も、肝細胞癌患者の肝動脈塞栓療法施行症例のデータを集積し、適宜適切な肝機能評価が可能かをテクスチャー解析を用いて解析する。必要な物品などがあれば、適宜追加する。 2023年度は学会等でTACEと全身薬物療法の関連の学会発表をした。 また転移性肝腫瘍の集積データをもとに、2024年度の肝癌研究会に演題を提出した。
|