研究課題/領域番号 |
20K16781
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分52040:放射線科学関連
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
渡邊 史郎 北海道大学, 大学病院, 助教 (10802415)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 核医学 / デジタルPET / FDG / 定量評価 / 低酸素 / FMISO / 免疫治療 / 治療効果予測 / 画像診断 |
研究開始時の研究の概要 |
癌に対する免疫治療の発展が目覚ましいが、どのような患者さんに効果があるのかはわかっていない。またこのような薬剤は高額であり、患者さんおよび医療財政に与える負担は大きい。がんにおいて、内部の酸素が不足している領域(低酸素領域)では、がんの生存のために様々なシグナルが過剰発現していることがわかっており、PET(陽電子放出断層撮影)を用いた可視化により抵抗性克服の研究が進んでいる。 本研究は、最新のデジタル半導体検出器搭載PET/CTシステムを用いて、がんにおける免疫治療の治療効果予測及び治療効果判定に有用な非侵襲的画像診断マーカーを確立し、免疫治療の有効な使用を促すことを目標とする。
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研究成果の概要 |
低酸素イメージング剤と半導体PETを用いて、免疫治療の治療効果予測/判定に有用な非侵襲的画像診断マーカーの確立を目標として、デジタル半導体検出器を搭載した最新のフルデジタルPET/CT装置を用いて、微小な構造での定量評価について以下の基礎的検討を行った。(1)小血管(冠動脈・頸動脈)における炎症性プラークの活動性をFDG PETで定量評価し、その再現性が中等度であることを示した。また、冠動脈疾患の患者では小動脈における活動性炎症が33~50%でみられることを示した。(2)小構造における生理的集積について、従来のアナログPET/CT装置と比較して定量評価が向上していることを示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、半導体素子を用いたデジタルPET/CTスキャナーを用いた定量評価は、既存のアナログPET/CTスキャナーと比較して、向上していることが明らかになった。特に小構造においては、SUVの値が有意に高値となる。そのため、これまでに報告されている臨床的に有用である閾値は、デジタルPETでの評価において過大評価されることとなり、偽陽性が増えることが予想されるため、専門家による診断能の向上が期待できる。 また今後の研究において、小病変の評価も可能であることがわかり、低酸素イメージングにおける定量評価にもデジタルPET/CTスキャナーが有用であることが明らかとなった。
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