研究課題/領域番号 |
20K16801
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分52040:放射線科学関連
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
小池 直義 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 特任講師 (60464913)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2020年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 放射線心毒性 / 細胞骨格 / 放射線治療 / 心毒性 |
研究開始時の研究の概要 |
放射線治療で肺がん、食道がんを含む胸部悪性腫瘍は根治可能な疾患となりつつある。一方で長期生存が達成されることで、新たに顕在化した問題として胸部放射線治療による晩発性の心毒性がある。放射線誘発性の心毒性発症のメカニズムは不明な点が多く、予防法や根本的治療法は確立されていない。そこで、本研究では、照射による心毒性のメカニズムの解明と心毒性の軽減を目指して、筋線維芽細胞を標的とした治療の確立をマウスモデルで試みる。
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研究成果の概要 |
胸部悪性腫瘍に対する放射線照射後の心毒性が大きな問題となっている。放射線誘発性心毒性の克服に向けて、放射線誘発性心毒性のマウスモデルの確立とマウスモデルの心臓の形態学的、病理学的変化を検討した。 マウスの心臓に照射を行い、心臓を摘出し病理学的に心臓への放射線の影響を評価した。照射後のマウス心臓は右室周囲の心外膜と大動脈弁が肥厚し線維化し、心外膜には血管新生と細胞浸潤が認められた。抗線維化効果を有するファスジル投与したところ、マウス大動脈弁の肥厚が改善した。CTでは右房の拡大所見の改善が認められた。心臓への放射線照射により引き起こされる大動脈弁の肥厚、線維化はファスジル投与により改善された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
乳がん、肺がん、食道がんなどの胸部領域において放射線治療による心毒性が明らかになってきている。放射線治療による心毒性の軽減の原因と治療法の探索が求められている。 本研究で照射による心毒性の原因として心外膜の線維化及び大動脈弁の肥厚が示唆され、タンパクリン酸化阻害薬であるファスジル投与により心毒性が軽減される可能性を見出した。
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