研究課題/領域番号 |
20K16803
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分52040:放射線科学関連
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
水野 雄貴 北海道大学, アイソトープ総合センター, 助教 (90805194)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 多価効果 / がん / インテグリン / ペプチド / 核医学治療 / 核医学診断 |
研究開始時の研究の概要 |
RGDペプチドを分子内に複数有する多価RGDは、integrin αvβ3陽性がん細胞を標的とした放射性医薬品の母体構造として広く用いられている。とりわけ、2つのRGDペプチド間をつなぐリンカー構造が適度に長い場合、隣接する2つのintegrin αvβ3との同時結合が可能となり、標的細胞における滞留性が著しく向上することが期待できる。本研究は、様々な種類のリンカーを有するRI標識2価RGDを作製し、リンカーの長さや構造、RI標識部位の化学構造の違いが、integrin αvβ3陽性細胞への集積性と滞留性に与える影響を明らかにする。
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研究成果の概要 |
本研究では、integrin αvβ3を標的とした放射性同位元素 (RI) 標識多価RGDペプチドの合成と評価を行い、多価ペプチドの分子構造の違いが、integrin αvβ3との相互作用に与える影響を評価した。その結果、RGDペプチド間をつなぐ分子構造、とりわけ足場分子の構造の違いが、integrin αvβ3からの解離速度に大きな影響を与えることを見出した。具体的には、オクタヘドラル型レニウム錯体を足場分子とし、トランス位に2つのRGDペプチドを持つ構造が、複数のintegrin αvβ3との同時結合に重要であることが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究を通して、多価RGDペプチドが複数のintegrin αvβ3と同時結合するために必要な化学構造について、新たな知見が得られた。これにより、integrin αvβ3を標的とした多価RGDペプチドの開発を、より合理的な薬剤設計に基づき実施することが可能となる。Integrin αvβ3は多くのがん種において発現が亢進することが知られているため、integrin αvβ3への高い集積性と滞留性を示すRI標識多価RGDの開発は、新たながん診断・治療法へとつながることが期待できる。
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