研究課題/領域番号 |
20K16826
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分52040:放射線科学関連
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研究機関 | 香川大学 |
研究代表者 |
石村 茉莉子 香川大学, 医学部附属病院, 助教 (60730348)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 18F-FDG PET / 肺癌 / 免疫チェックポイント阻害剤 / 効果判定 / FDG PET |
研究開始時の研究の概要 |
肺癌の画像評価は従来CTなどにより形態的に行われているが、免疫チェックポイント阻害剤での治療経過では腫瘍のみかけの増大である偽性増殖を示す場合があり、CTのみでの正確な評価は難しい。今回、免疫チェックポイント阻害剤の作用機序であるリンパ球の活性化に着目し、18F-FDGを用いた機能的評価(テクスチャ解析など)を応用する。肺癌の免疫チェックポイント阻害薬治療経過での正確な効果判定や早期での予後予測や副作用発現を検討し、患者のより有効かつ安全な治療方法の選択や医療費の低減に寄与することを目標とする。
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研究実績の概要 |
肺癌における免疫治療はProgrammed cell death-1 (PD-1)を標的とした治療が確立されている。そのligandであるProgrammed cell death-ligand 1 (PD-L1)は予後予測因子や治療効果予測因子として期待されており、PD-L1発現の予測を行うことには臨床的意義がある。肺癌の診断と効果判定において18F-FDG (FDG) PET検査は有用である。FDG PET検査では糖代謝を評価出来る。PD-L1はglucose transporterや解糖系酵素と関連しているという報告がある。 非小細胞肺癌のPD-L1発現とFDG PETのテクスチャー指標の関連を検討した。対象はFDG PET/CTを施行した治療前非小細胞肺癌85例である。原発巣のFDG集積から31テクスチャー指標を測定し、PD-L1の tumor proportion score (TPS)との相関を検討した。結果としてPD-L1のTPSと21テクスチャー指標(Homogeneity、Energy、Contrast、Entropy、など)の間に有意な相関がみられた。結論としてFDG PETによる腫瘍のテクスチャー指標は非小細胞肺癌のPD-L1発現の代替指標となりうる可能性がある程度示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
免疫チェックポイント阻害剤が予定される肺癌患者に、PD-L1発現の有無を治療前に判断している。これら患者に対し、18F-FDG PET検査が実施出来ている。しかし、治療効果判定のための治療前と治療途中に行う18F-FDG PET検査は少ない。
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今後の研究の推進方策 |
今年度はPD-L1発現の有無と18F-FDG集積の関係を調べた。その結果、PD-L1発現とSUVには有意な関連が示唆された。症例数を増やし、さらに検討を行う予定である。また、PET評価として、SUV以外に体積評価であるMTV(metabolic tumor volume)やTLG(Total lesion glycolysis)を検討していく予定である。そして、引き続きテクスチャ解析による不均一性評価を行う予定である。治療効果判定のための、治療途中での18F-FDG PET検査も可能であれば実施していく予定である。また、予後評価として、生存率や無増悪生存期間などとの関係も調査していく予定である。
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