研究課題/領域番号 |
20K16828
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分52040:放射線科学関連
|
研究機関 | 琉球大学 |
研究代表者 |
伊良波 裕子 琉球大学, 病院, 講師 (50305207)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
|
キーワード | 子宮動脈 / 妊婦 / 4D-flow MRI / MRI / 4D-Flow / Pregnancy / Uterine artery / 4D-flow MRI / 4D-flow |
研究開始時の研究の概要 |
妊娠時の子宮動脈血流の異常は、妊娠高血圧症候群の発症に密接に関わることが知られている。また、癒着胎盤では胎盤内部や胎盤周囲の血流が異常に増加し、術中出血量と相関すると報告されている。 妊娠が成立すると子宮動脈の血流量は増加し、ドプラ超音波の血流評価で子宮動脈の血管抵抗は有意に低下する。しかし妊娠高血圧症候群では血管抵抗が高いまま推移する。癒着胎盤では胎盤内部や癒着部位における血流が増加する。 超音波は検者の技量や被検者の体形に左右されるが、MRIは病変の再現性や組織コントラストに優れており、胎児や胎盤の評価と同時に子宮動脈血流の評価も行うことができれば産科臨床に与えるインパクトは大きい。
|
研究成果の概要 |
本研究の目的は、4D-flow MRIを用いて妊婦の子宮動脈を評価し、その有効性と有用性について検討した。まず子宮動脈のプロトコルを作成し、成人女性で撮影を行い、子宮動脈の評価が可能であることを確認した。正常妊婦でも同様の撮影を行い、妊娠時の子宮動脈を解析した。妊娠時の子宮動脈は、非妊娠時の子宮動脈に比較し、明らかに拡張し血流が増加し拡張期でも高速血流が維持されているのが4D-flow MRIで視覚的に確認可能であった。超音波では既に拡張末期血流速度が上昇することが分かっており、同様の現象が4D-flow MRIでも確認されたことになる。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
妊娠時の子宮動脈の血行動態については不明な点が多く、本研究で4D-flow MRIを用いて妊婦の子宮動脈を評価した。妊婦と正常ボランティアの子宮動脈血流を解析したところ、妊婦の子宮動脈の描出パターンは、明らかに拡張し血流が増加していることが4D-flow MRIで確認された。妊婦の子宮動脈は大動脈と比較し拡張期でも高速血流が維持されているのが視覚的に確認可能とされ、これは新たな知見と考えられる。今後癒着胎盤や妊娠高血圧症候群などで同様の解析を行うことにより、妊娠時の子宮動脈血流の異常や胎盤機能などを予測できる可能性がある。
|