研究課題/領域番号 |
20K16840
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分52040:放射線科学関連
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研究機関 | 大阪大学 (2022) 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構 (2020-2021) |
研究代表者 |
坂田 洞察 大阪大学, 大学院医学系研究科, 准教授 (10709562)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 放射線化学 / OHラジカル / 磁場効果 / パルスラジオリシス / モンテカルロシミュレーション / Geant4-DNA / Geant4 / 化学種への磁場効果 / 細胞致死 |
研究開始時の研究の概要 |
2019年, 新しい現象が発見された. 平行磁場印加による細胞の放射線感受性の増感である. 細胞への放射線照射時にビームに平行な磁場印加をすると, 細胞致死が増加する. 本研究では, この磁場印加による放射線感受性の増感を調べるため, 放射線の水分解によって生じたラジカルやイオンの磁場中での運動を実験とシミュレーションの両面から調べる. またOHラジカルがDNAを損傷させる間接作用の効果が磁場印加によってどのように変化するかを調べるため, Geant4-DNAを用いて放射線化学種の磁場効果を考慮した放射線生物シミュレーションの開発を目指す.
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研究成果の概要 |
本研究では、放射線に平行な磁場を印加した時に見られる、細胞致死率増加のメカニズム解明の為、放射線に誘発される化学種(特にOHラジカル)の受ける磁場効果について、実験・シミュレーション両面から調べた。 東大原子力及び阪大産研のLバンド電子線ライナックを用い、磁場印加中のOHラジカルの収量変化をパルスラジオリシスによって測定した。結果、磁場印加時にOHラジカルの収量が増加している事を見出した。コロナ禍によって実験実施ができなかった為、シミュレーションによる検証を行えなかったが、本研究の次段階を前倒して実施し、DNA損傷と細胞生存率を結びつける数理モデルの開発を行った。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、放射線に誘発されるOHラジカルが磁場を印加する事で収量が増加する事を突き止めた。これにより、放射線に平行な磁場を印加した時に見られる細胞致死率増加のメカニズム解明の為の一つの方向性を示すことができた。この平行磁場効果を治療に応用できれば、特に重粒子線治療の治療効果を大幅に高めることができ、社会的意義は大きい。
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