研究課題/領域番号 |
20K16842
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分52040:放射線科学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター |
研究代表者 |
小倉 正人 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター, 脳病態統合イメージングセンター, 研究員 (50869823)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
中途終了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 覚醒剤依存症 / ネットワーク解析 / MRI / グラフ理論 / 構造ネットワーク解析 |
研究開始時の研究の概要 |
覚醒剤依存症患者の脳構造MRI画像にグラフ理論に基づいた脳構造ネットワーク解析を応用し、覚醒剤依存症患者の生体脳における特徴探索を目的とする。健常群と比較して、大脳皮質全体のネットワークの効率が低く、衝動性などの依存症でみられる行動フェノタイプと関連すると仮説を立てている。 覚醒剤依存症に対しては、世界的に見ても認知行動療法などの精神療法しか効果が実証されているものがない。生物学的な根拠に基づく効果的な治療の開発が求められ、覚醒剤依存症患者の生物学的特徴のより深い理解が必須である。本研究では、豊富なデータと先進的な解析法の組合せにより、それに貢献していく。
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研究実績の概要 |
覚醒剤依存症に対しては、世界的に見ても認知行動療法などの精神療法しか効果が実証されている治療法がない。そこで生物学的な根拠に基づく効果的な治療法を開発するため、覚醒剤依存症患者の生物学的特徴のより深い理解が必須である。本研究の元データとなるMRI T1強調画像法は、簡便で低コストに実施できるため、汎用性の高い解析法となることを期待する。 本研究では、MRI T1強調画像から得られる生体脳の形態情報から、大脳灰白質の厚さやフォールディング構造などの類似性を、グラフ理論に基づいた大脳の構造ネットワーク解析を行なう。健常群と比較することで、覚醒剤依存症患者に特徴的な指標(グラフ理論の次数、特徴的経路長、媒介中心性、クラスタリング係数、スモールワールドネス、など)の探索を目的としている。覚醒剤依存症患者では、大脳灰白質が薄くなりその厚さが薄くなる程に薬物への渇望が強い傾向にあることが、これまでに報告されている。このため、これらの形態情報に加え、心理所見(衝動性、作業記憶、薬物希求行動など)や臨床所見(薬物使用量、使用期間、薬物への渇望など)などの臨床データを取得し、関連性についても検討する。 本年度は、健常被験者群データセットの入手および解析ならびにそれらの統計処理を行ない、対照データの構築することを計画した。また、国立精神・神経医療研究センター病院の医師らと協力し、同院・薬物依存症センターを受診する患者を対象とする臨床研究の開始を目標とした。現在、健常被験者群のデータセットを入手し、臨床データ(病歴や生活習慣、心理所見など)のデータ確認・解析および画像解析を行なっている。現時点で、健常被験者群のデータも含めて統計処理を完了したデータがないため、公表可能なデータはない。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
健常被験者群データセットのデータ移管に必要となった契約締結に時間を要し、またそれらの臨床データ(心理所見や臨床所見など)に対するデータクリーニングについても時間を要している。 このため、現時点で統計解析を完了したデータはなく、現在までの進捗状況は【遅れている(delayed)】となる。
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今後の研究の推進方策 |
本研究では、現在所属する研究機関の特色である覚醒剤依存症患者を対象とした臨床研究の実施を計画していた。 しかし、令和3年6月30日付けで現所属を退職するため、被験者リクルートが困難となることから、本研究課題の廃止を申請している。
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