研究課題/領域番号 |
20K16844
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分52050:胎児医学および小児成育学関連
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
市野井 那津子 日本大学, 医学部, 助教 (40509402)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | シトルリン / シスチン / システイン / ATP / 黄疸 / 肝炎 / ノックアウトマウス / シトリン / アンモニア / ミトコンドリア障害 / 抗酸化障害 |
研究開始時の研究の概要 |
シトリン欠損症は,乳児期一過性肝障害を呈するがその詳細な発症機序は未解明である。これまで類似した経過をとる他の疾患でミトコンドリア内転移RNA(tRNA)減少が発症に関与すると示唆されている。一方,シトリン欠損症ではtRNAの修飾基供給が不足することが推察される。本研究では,疾患モデルマウスを用いてシステイン代謝に注目したシトリン欠損症の乳児期肝障害の病態解明を目的とする。病態を明らかにすることは,病態に則した新規治療提供や重症化予防を可能にする。
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研究実績の概要 |
本研究では、遺伝子異常により発症するシトリン欠損症を対象とする。シトリン欠損症では、新生児~乳児期に血中シトルリン上昇と胆汁うっ滞、肝炎症状を呈する。この病型を“シトリン欠損による新生児肝内胆汁うっ滞”(以下NICCD)という。シトリン欠損症では、患者間の重症度が異なり、学童期・成人期はNICCDと異なる病型を示す。しかしその発現型の差異に関連する因子や詳細な病態は未解明である。本研究では、NICCDの病態解明を目的とした。 シトリンは肝ミトコンドリア内へシステインの代謝産物を輸送する。シトリン欠損マウスでは、システイン代謝産物輸送が障害されることにより、ミトコンドリア機能障害を呈すると仮説を立てた。 令和4年度は、シトリン欠損マウスの表現型解析を前年度から継続した。既存のシトリン欠損マウスを用い、通常飼料、システイン減量飼料、アミノ酸含有飼料を与えた。各々、野生型、ヘテロ型、変異型マウスの血液および肝組織を採取した。血清中肝逸脱酵素を測定し、一部のマウスにおいて肝逸脱酵素上昇を認めた。肝組織はHE染色し、今後組織学的評価を行う。また、ミトコンドリア機能障害とミトコンドリア形態異常は関連するため、マウスの肝ミトコンドリア形態を観察するため、肝組織の電顕標本作成を進めた。肝組織におけるミトコンドリア機能評価のため、ATP測定を一部の検体で行った。 疾患理解を進めるため、小児期に低血糖を来した症例の論文作成を前年度から継続している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
血液検体、肝組織の収集は順調に進められている。 肝組織は標本作製終了した。肝組織学的評価がやや遅れているが、研究期間を延長し次年度内に終了予定である。肝ミトコンドリア機能評価についても計画より遅れている。ミトコンドリア機能解析がうまくいかない場合、学内の他研究室や他研究施設への協力依頼を検討する。
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今後の研究の推進方策 |
採取済みのモデルマウスの肝組織を用いて、ATP測定および組織学的解析・評価を進める。 肝ミトコンドリア内のシステイン代謝産物の減少についての評価法を検討する。自研究室内での実行が困難である場合は、他研究施設等へ協力依頼を検討する。 本研究の解析結果を論文あるいは学会で発表する。
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