研究課題/領域番号 |
20K16850
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分52050:胎児医学および小児成育学関連
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
堀 友博 岐阜大学, 医学部附属病院, 助教 (90456525)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | ケトン性低血糖症 / PHKA2遺伝子 / 先天代謝異常症 / ケトン体代謝異常症 / 糖原病 / 糖原病IX型 / ホスホリラーゼキナーゼ |
研究開始時の研究の概要 |
ケトン性低血糖症は、男女比2:1で男児に多く、健常な小児では低血糖にならない程度の空腹やストレスでケトン陽性の低血糖症をきたす比較的頻度の高い病態であるが、その遺伝学的な病因や男児に多い理由は不明である。最近、肝腫大や肝機能異常のないケトン性低血糖症の男児で、糖原病IX型の原因遺伝子PHKA2に異常を持つ症例が複数存在することが報告され、当施設の検討でも同様の結果が示された。PHKA2遺伝子はX染色体上に存在しているため、これが日本における男児のケトン性低血糖症の病因となる主要なバリアントであることを明らかにし、同バリアントの臨床的意義を検討することを本研究の目的とする。
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研究成果の概要 |
PHKA2遺伝子のp.G991Aバリアントがケトン性低血糖症の主因であることを明らかにするため研究を実施した。同バリアントを有する患者でPhK活性が低下していることをin vitroで証明する発現実験では、ホスホリラーゼbに対するKmの高値や、高温条件下での不安定性が証明できた。全国の原因不明のケトン性低血糖症患者に対し解析を実施したが、研究期間中にp.G991Aを有する患者は同定できなかった。生後1か月児の一般集団2638名(男児1362名、女児1276名)を対象にp.G991Aを解析し、男児4名(全員へミ接合性)、女児10名(全員ヘテロ接合性)に同定した。引き続き症例集積と解析を進める。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ケトン性低血糖症の遺伝学的な病因や男児に多い理由は不明である。ケトン性低血糖症がX染色体上にあるPHKA2遺伝子のp.G991Aバリアントにより引き起こされ、また、同バリアントの有無が臨床症状や重症度に違いをもたらすとの仮説を立て研究を行った。この仮説が実証されれば、患者の臨床的予後が事前に推察可能となるなど、患者の利益に直結する。本研究の発現実験では、我々の仮説の一部が裏付けられる結果が得られた。今後、実際の一般集団と患者を対象とした症例の集積・アンケート調査・遺伝学的解析により、我々の仮説がさらに裏付けられる可能性がある。引き続きこれらの調査と研究を進め、その成果の論文発表を行う。
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