研究課題/領域番号 |
20K16853
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分52050:胎児医学および小児成育学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
吉田 健司 京都大学, 医学研究科, 助教 (50790557)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 銅代謝異常症 / 遺伝性疾患 / 銅 / 銅代謝 |
研究開始時の研究の概要 |
銅は人にとって不可欠な微量元素であり、銅イオンを含む蛋白はミトコンドリア電子伝達系やヘモグロビン合成といった生体内で重要な役割を担っている。研究に先立って、遺伝性銅代謝異常症の家系における網羅的遺伝子解析により、銅代謝に関わる新たな遺伝子に変異を同定した。本研究では、同定した遺伝子変異が銅代謝異常を起こす機序を、分子生物学的手法を用いて解析することを目的とする。銅代謝異常症の新しい疾患単位確立への重要な一歩となることが期待される。
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研究成果の概要 |
申請者らは、従来の疾患と異なる特徴を持つ遺伝性銅代謝異常症の家系において、新規遺伝子CTR1に異常があることを見出した。CTR1は細胞内に銅を取り込む役割を持つ。患者由来線維芽細胞では銅の取り込みが低下していることが分かった。次に、CTR1の機能をより詳細に解析するため、細胞外に銅を排出するATP7A遺伝子をノックアウトした細胞株を樹立した。その細胞株を用いて、患者と同じ遺伝子異常が銅の取り込みを障害することを示した。以上のことから、今回の研究によりCTR1が新たな遺伝性銅代謝異常症に関与している可能性を示すことができた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
遺伝性銅代謝異常症は、ATP7A異常に伴うメンケス病とオクシピタールホーン症候群、ATP7B異常に伴うウィルソン病が知られているが、今回の研究により新たにCTR1異常が遺伝性銅代謝異常症に関与している可能性を示した。新規疾患の発見という点に加えて、銅トランスポーターCTR1の生体内での機能解明にも寄与するため、学術的意義が高いと考えられる。また、本研究がさらに発展すれば、銅代謝異常症の診断や治療に結びつく可能性があり、大きな社会的意義も期待できる。
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