研究課題/領域番号 |
20K16854
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分52050:胎児医学および小児成育学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
杉辺 英世 大阪大学, 医学部附属病院, 医員 (30791595)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | ダウン症候群 / 肺高血圧 / エクソソーム / 肺動脈性肺高血圧 / iPS細胞 / 肺高血圧症 |
研究開始時の研究の概要 |
先天性心疾患を有するダウン症候群患者では肺高血圧の進展が早い、ということは以前から知られていたが、21トリソミーを有する肺血管内皮あるいは平滑筋細胞がどのような機序で肺高血圧症の発症に関与するかについては、未だほとんど明らかになっていない。本研究では、ダウン症候群iPS細胞から得られた血管内皮・平滑筋細胞において分泌されるエクソソームに含まれるRNAやタンパクを網羅的に解析し、さらにその特徴が患者検体でも同様であるかを確認することによって、ダウン症候群における肺高血圧の発症に関わる新たな機序を解明し、新規治療法の開発につながる病態解明を行う。
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研究成果の概要 |
ダウン症候群は最も頻度の高い染色体疾患であり、肺高血圧症の合併が多い事も知られている。しかしこれまで、ダウン症候群における肺動脈の細胞生物学的解析は行われてこなかった。我々はダウン症候群患者からiPS細胞株を樹立し、その21番染色体トリソミーをダイソミーへと復元したiPS細胞株を作成、これらの比較を行うことでダウン症候群特異的な肺高血圧症の病態解明を行った。ダウン症候群iPS細胞由来血管内皮細胞では、RNA-seq解析により、その発現パターンが大きく変化していることを発見した。また、血管内皮細胞から分泌されるエクソソーム内のRNA-seqにおいても特徴的な発現パターンを示すことを解明した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ダウン症候群は、およそ700出生に1人の割合で発症する頻度の高い染色体異常である。ダウン症候群患者では、肺動脈性肺高血圧症の進展が早いことが以前から指摘されているが、肺血管細胞の生物学的特徴は明らかでなかった。本研究により、ダウン症候群患者由来iPS細胞から樹立した血管内皮細胞が分泌するエクソソームに含まれる各種RNAのプロファイルは、アイソジェニックな修復ダイソミーiPS細胞から樹立した血管内皮細胞が分泌するエクソソームとは異なることが明らかとなった。これらのエクソソームプロファイルが肺高血圧発症に果たす役割を解明することによって、ダウン症候群特異的な肺高血圧治療に繋がる可能性がある。
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