研究課題/領域番号 |
20K16863
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分52050:胎児医学および小児成育学関連
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研究機関 | 京都府立医科大学 |
研究代表者 |
笹脇 ゆふ 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (60850360)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 概日リズム / 発育 / 母子同調 / 交代制勤務 / 胎児発育 / 時間生物学 / 胎児医学 |
研究開始時の研究の概要 |
我が国では低出生体重児の割合が増加しており、大きな問題となっている。また、妊娠期に不規則な明暗周期に曝露される交代制勤務に従事することより、低体重児のリスクが増加することが報告されている。しかし、妊娠期の交代制勤務により子の発育不全が引き起こされるメカニズムは未だ明らかになっていない。そこで、本研究では、明暗周期の乱れと胎児の発育不全との関連メカニズムを明らかにすることを目指す。
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研究実績の概要 |
妊娠期の交代制勤務により低体重児が増加するリスクが指摘されている。しかし、妊娠期の交代制勤務により子の発育不全が引き起こされるメカニズムは明らかになっていない。そこで、本研究では胎生期及出生早期の明暗周期撹乱が発育不全をもたらすメカニズムを解明することを目的とした。まず、メカニズムの解明に先立ち、本研究では申請者が所属する八木田研究室で独自に開発された、リバーストランスレーショナル研究手法の一つである「マウスコホート」モデル系を用いて、胎生期から生後早期の明暗周期撹乱が野生型マウスの表現型にどのような影響を与えるのかを明らかにした。本研究では、胎生9日齢から生後8週齢までの間、マウスを明暗周期撹乱条件(明暗周期が2日ごとに反転)と明暗周期を固定した通常の飼育条件(12時間明期:12時間暗期)に曝露させ、体重の推移を連続的に追跡した。その結果、雌雄ともに明暗周期撹乱条件に曝露したマウスで体重が一貫して減少している傾向を示すことを明らかにした。このことから、本実験系は妊娠期の交代制勤務による子の発育不全を明らかにするために有効であることが示された。我々は、子の発育不全には、暗周期撹乱により母体と胎仔の母子同調が撹乱され、胎児発育不全が起きたことが影響しているのではないかと考えた。 また、我々はこれまでの研究で、胎生10-12日目のマウスでは体内時計は形成されていないが、胎生17-19日目のマウスでは概日リズムの母子同調が形成されることを明らかにした[Umemura et al.,2017]。グルココルチコイドは胎盤で胎仔への以降が厳密に制御されていることが知られているため、母子同調因子の一つとしてグルココルチコイドが考えられる。我々は、グルココルチコイドが胎児発育及び体内時計の形成に与える影響についても検討している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究では、これまで本研究室にて実施されてきたマウスコホート研究での手法を参考に、妊娠期野生型マウスに明暗周期撹乱という環境撹乱を与え、他の飼育条件を同一にした際の個体の表現型の変化を前向きに観察した。その結果、妊娠期の明暗周期撹乱が子の発育に影響を与えることが示された。続いて全く同一の条件の追実験を行い、追実験群でも妊娠期の明暗周期撹乱で子の体重が低下していることを明らかにした。1回目の実験、及び追実験の結果で再現性が得られたことから、胎児期に明暗周期が2日ごとに反転する頻繁な明暗周期撹乱に曝露することは、子の発育不全という表現型の変化を引き起こすことを明らかにした。この結果から、子の体重減少には、明暗周期撹乱により母体と胎仔の母子同調が撹乱され、胎児発育不全が起きたことが影響しているのではないかと考えた。また、母子同調因子の一つとしてグルココルチコイドが考えられることから、ノックアウトマウスを用いた実験系の樹立を行っている。この実験系から、胎仔が発生早期から母体のグルココルチコイドに曝露した場合の影響について検討し、母子同調及び胎児発育におけるグルココルチコイドの役割を検討する予定である。
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今後の研究の推進方策 |
これまでの実験から、妊娠期野生型マウスに明暗周期撹乱という環境撹乱を与えると、子の体重減少が見られることが明らかになった。発育不全に至るメカニズムとして、妊娠期の明暗周期撹乱が母子同調を撹乱し、発育不全を引き起こす可能性を考えた。母子同調因子の一つとしてグルココルチコイドが考えられることから、ノックアウトマウスを用いた実験系の樹立を行っている。この実験系から、胎仔が発生早期から母体のグルココルチコイドに曝露した場合の影響について検討し、母子同調及び胎児発育におけるグルココルチコイドの役割を検討する予定である。
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