研究課題/領域番号 |
20K16870
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分52050:胎児医学および小児成育学関連
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研究機関 | 東邦大学 |
研究代表者 |
羽賀 洋一 東邦大学, 医学部, 助教 (30468714)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 胆汁酸 / 白血病 / 造血 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、(1) 白血病の胆汁酸取込みと疾患の種類・治療リスクとの関連の検証、 (2) 胆汁酸を取込む活性が高い細胞集団の特定、(3) 白血病細胞の生存・増殖における胆汁酸の役割、(4)化学療法中における生体内の胆汁酸・脂質・ステロイドの動向の検証、について明らかにする。
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研究実績の概要 |
本年度に行った成果は3点である。 1、本研究では、白血病などの化学療法治療において、化学療法後の骨髄抑制から骨髄が回復するときに胆汁酸が一過性の上昇をしめす現象をヒントに、緊急造血時または血球造血時に胆汁酸を利用して血球が増殖するメカニズムを解明している。小児患者でのデータを元に本現象を確認したわけであるが、成人例でのデータが乏しいため、現在成人症例のデータを収集中である。本研究費から、患者様の同意をいただき、胆汁酸などの検査データ費用をまかない、データ収集を行っている。 2022年度収集した成人症例は1件であった。COVID-19感染症の流行により対象患者数が当院で減少してしまったため、年間の対象患者の見込み数を大きく下回ってしまっている 2、本研究の成果の一つに、蛍光胆汁酸を用いて造血幹細胞や白血病内に胆汁酸のとりこみがみられるという知見がある。また胆汁酸取込みによって細胞の増殖が促進されることや、 増殖力が高い腫瘍細胞ほど悪性度が高い傾向が得られた。特に急性リンパ性白血病の患者では、胆汁酸取込み量が多い腫瘍細胞程悪性度が高い結果となった。胆汁酸取込みと相関する表面抗原はCD34であった。ただし、CD34の陽性率と蛍光胆汁酸の取込み量との相関関係については今後解明する必要がある。この結果について、日本血液学会で発表した。 3、血球内への胆汁酸取込み現象の解明のために、好塩基球などの他の血球との関連を確認するため、フローサイトメトリーを用いて各血球への取込みを確認する実験の準備を行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
本研究は、成人の白血病患者のデータ収集を行っている研究である。しかしながら、2020年から本格的に世界的に流行したCOVID-19によって、当院への入院患者の制限もあり、血液腫瘍患者の入院が極端に減少したため、症例の収集が滞っている。 更に、成人の血液悪性疾患の治療の内容に変化が生じ、分子標的療法が主になってきたことから、骨髄抑制を生じない治療法にシフトしてきたことから、更に成人例の症例の収集が困難になってきた状況がある。
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今後の研究の推進方策 |
対象となる成人患者数が減少したことから、2点対策を行っている。1点は、悪性腫瘍細胞内への胆汁酸取込み実験を、Cell Lineで行うこと。2点は、引き続き成人症例のリクルートを続けること。
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