研究課題/領域番号 |
20K16882
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分52050:胎児医学および小児成育学関連
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研究機関 | 秋田大学 |
研究代表者 |
加藤 明英 秋田大学, 医学部附属病院, 医員 (90865718)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | 酸性スフィンゴミエリナーゼ / 乾燥濾紙血 / タンデムマス / ライソゾーム病 / 酸性スフィンゴミエリナーゼ欠損症 / タンデム質量分析 / バイオマーカー / スクリーニング |
研究開始時の研究の概要 |
治療法の進歩が目覚ましいライソゾーム病において、早期診断の重要性が高まりスクリーニングが注目されている。酸性スフィンゴミエリナーゼ欠損症(ASMD)もそのひとつだが、現在本邦では患者の培養皮膚線維芽細胞を用いて診断している。 本研究ではASMDの、乾燥濾紙血を用いたハイリスクスクリーニングに対応可能な診断法開発と、新規バイオマーカーの同定を目的とする。この研究により、早期診断例が増え、診療レベルの向上に寄与することができる。また、独自に開発した高感度・高分離測定技術を用いて、患者検体のリピドミクス解析を行う。新規バイオマーカーの同定は、病態のさらなる解明に繋がり新たな創薬シーズを生み出しうる。
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研究成果の概要 |
ライソゾーム病の酸性スフィンゴミエリナーゼ欠損症(ASMD)は、本邦の難病医療において大きな対象疾患のひとつである。ASMDは希少性と症状多様性から診断が難しい。ASM低値を元に診断するが、従来は培養皮膚線維芽細胞を用いて、数ヶ月かけて1名の測定を行っていた。本研究では乾燥濾紙血を用いたタンデムマス分析による新規診断法を開発し、ハイリスクスクリーニングに対応可能な体制を整えた。具体的に、血液1滴・2日間で176名の測定を可能とした。 ASMDの酵素補充療法は神経症状には無効なため、さらなる病態解明が必要である。ASMD患者が1名であったため新規バイオマーカー同定には至らず、次なる課題とした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究で開発した診断法の特徴は、検査に伴う侵襲性を軽減したことと、ハイリスクスクリーニングに対応可能とした点である。これにより、ASMDの早期診断・早期治療に寄与することができる。 新診断法を確立したことに加え、2つの臨床研究を通じて、統計学的解析を行うことにより、DBS中ASM活性の様々な特徴を明らかにした。主に、①患者白血球数・リンパ球はASM活性と正の相関を示すため、軽症ASMD患者の偽陰性・保因者の偽陽性に関わる可能性があること、②新生児においてASM活性は在胎週数・出生体重と正の相関を示すこと、を明らかとした。これらは初めての報告であり、診断を進めていく上で貴重な基盤となった。
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