研究課題/領域番号 |
20K16902
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分52050:胎児医学および小児成育学関連
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研究機関 | 埼玉医科大学 |
研究代表者 |
芳賀 光洋 埼玉医科大学, 医学部, 助教 (30867643)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 新生児慢性肺疾患 / 子宮内胎児発育遅延 / 母体低栄養 / 高濃度酸素 / 肺傷害 / 肺発達 |
研究開始時の研究の概要 |
申請者らは、新生仔期の高濃度酸素暴露が、マウスの肺内代謝異常および肺胞発達遅延を引き起こすことを示してきた。母体低栄養は児の肥満や耐糖能異常・高血圧に関係することが明らかになっているが、胎児・新生児の肺内代謝経路、肺発達および肺傷害・修復過程に母体栄養が、どのように影響するかについては不明である。本研究では、母体低栄養および胎児発育遅延マウスモデルを用い、その表現型を解析することにより、母体低栄養および胎児発育遅延の肺に対する影響を検討する。また、超早産児コホートを用いて、母体低栄養・胎児発育遅延と新生児の呼吸器予後との関連の有無を明らかにする。
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研究成果の概要 |
母体低栄養が新生児慢性肺疾患の重症化に関与するメカニズムを新生児慢性肺疾患モデルマウスを用いて検討を行った.母体低栄養マウス群とコントロール群の間では,肺内の炎症性サイトカインのmRNA発現には有意な差は認めなかった.組織の成長と修復に関与する因子としては,日齢4のインスリン様成長因子1のmRNA発現が母体低栄養マウス群はコントロール群と比較して有意に高かった.肺の組織病理学的な検討では,両群間に有意な差が認められなかった.低栄養は肺内で成長ホルモン/インスリン様成長因子1シグナリングの変化を起こしていることが示唆されたが,肺組織の病理学的な変化としては検出できなかった.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
母体低栄養が肺内での成長ホルモン/インスリン様成長因子1シグナリングに変化をもたらしていることが示された.新生児慢性肺疾患は発生途上の肺に種々の侵襲が加わることで,肺内で炎症と修復が繰り返されて発症する.母体低栄養は胎児にエピジェネティックな変化を起こすことが知られているが,肺の修復に関わるシグナルの変化はこれまでに知られていなかった.母体低栄養および子宮内胎児発育遅延が新生児慢性肺疾患の重症化に至る機序を解明する上で重要な知見であると考えられる.
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