研究課題/領域番号 |
20K16904
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分52050:胎児医学および小児成育学関連
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
山崎 文登 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 助教 (70529354)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 骨肉腫 / BRCAness / 相同組み換え修復機能 / 化学療法感受性 |
研究開始時の研究の概要 |
遺伝性乳がん・卵巣がんの原因遺伝子であるBRCA1/2の機能喪失の際にみられるゲノム変化のパターンがBRCA1/2に異常がない腫瘍にもみられることがあり、BRCAnessと呼ばれている。BRCAnesを示す腫瘍がプラチナ製剤やPARP阻害剤といった特定の治療薬に対して高い効果が得られることが知られている。 思春期・若年成人の多種多様な肉腫のゲノム解析で骨肉腫がBRCAnessを示す傾向を見出したことから、小児の骨肉腫おいてBRCAnessを評価すると共に、その原因となりうる遺伝子異常を同定し、BRCAnessが化学療法の効果を予測する指標となりうるかを明らかにすることを目的として研究を行う。
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研究成果の概要 |
小児・AYA世代骨肉腫に、BRCA1/2変異はないが同様の相同組み換え修復機能の異常の関与が考えられるBRCAnessが存在すると考え、24例を対象にSNPアレイ・エクソーム解析でコピー数異常に着目したLOH(loss of heterozygosity)スコア(大領域のLOHの個数)を算出した。骨肉腫のSNPアレイのLOHスコアはBRCA1/2が不活性化した乳がんと同等の水準であった。エクソーム解析の結果も含めて、術前化学療法の感受性が良好と判断される腫瘍壊死率が高い症例では腫瘍壊死率が低い症例に比べてLOHスコアが有意に高かった(20.8 vs 14.9, P=0.023)。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
小児・AYA世代骨肉腫症例でLOHスコアはBRCA1/2が不活化した乳がんと同等の高い水準にあり、相同組み換え修復機能の異常が腫瘍発症に寄与している可能性が示唆された。また、化学療法後の腫瘍壊死率が高い治療反応良好群でLOHスコアが高かったこと、およびLOHスコアが高値の例では限局例において予後良好な傾向があったことから、LOHスコアは治療開始時に評価可能な、化学療法感受性および予後を予測するためのバイオマーカーとなり得る可能性が示唆された。
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