研究課題/領域番号 |
20K16909
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分52050:胎児医学および小児成育学関連
|
研究機関 | 埼玉県立小児医療センター (臨床研究部) |
研究代表者 |
福岡 講平 埼玉県立小児医療センター (臨床研究部), 血液腫瘍科, 医長 (60746717)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
|
キーワード | 中枢神経胚細胞腫瘍 / 乳幼児期発症 / 分子遺伝学的解析 / 頭蓋内胚細胞腫瘍 / メチル化解析 / 遺伝子変異解析 / 5歳未満発症中枢神経胚細胞腫瘍 / 分子遺伝学解析 / CNS germ cell tumor / methylation anaylysis / infant CNS tumor |
研究開始時の研究の概要 |
中枢神経胚細胞腫は、小児期から若年成人に好発する悪性中枢神経腫瘍の一つで我が国においては、14歳以下では2番目に発症頻度の高い中枢神経腫瘍である。多くの症例が思春期前後に発症する一方で、稀ながら5歳未満の小児に発症する場合、発症時に巨大な腫瘍であり摘出困難であることや、晩期合併症の懸念から放射線治療を使用しづらい事から予後不良であることが知られており、その希少性から臨床的、分子遺伝学特徴は明らかになっていない。 本研究の目的は、5歳未満発症中枢神経胚細胞腫の臨床的、分子遺伝学的解析による病態解明を行い、患者の予後改善と適切な治療選択につなげる事である。
|
研究成果の概要 |
合計16例のうち、4例は卵黄嚢腫瘍、12例で奇形腫であり、年長児症例で頻度の高いジャーミノーマは一例も認めなかった。分子遺伝学解析として変異解析を行ったところ、1例にSMARCA4変異を認めた。また、網羅的DNAメチル化解析を行ったところ、5歳未満発症の奇形腫、卵黄嚢腫瘍症例はそれぞれ年長児発症症例とともにクラスターされたが、上記のSMARCA4変異を有する奇形腫症例は、SMARCA4変異を有するAtypical teratoid/Rhabdoid tumorとともにクラスターされた。これらの結果から、乳児期発症頭蓋内胚細胞腫の一部は臨床的、分子遺伝学的に年長児とは異なる可能性が示唆された。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
頭蓋内胚細胞腫は、海外では非常に稀な上、診断、治療方針の相違のため、海外では中枢神経胚細胞腫の診断時に腫瘍生検を行わない事が多いため、検体そのものが存在しない事が多く、低年齢発症の頭蓋内胚細胞腫に関する研究は、臨床、分子遺伝学的解析ともに、日本でも未だ行われておらず、本研究は、国内、国外初の研究となる。本研究により、乳幼児発症中枢神経胚細胞腫瘍の多様性が明らかになり、今後の更なる病態解明につながる可能性がある。
|