研究課題/領域番号 |
20K16916
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分52050:胎児医学および小児成育学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
鹿嶋 晃平 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (10869077)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2020年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
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キーワード | DNAメチル化 / エピゲノム記憶 / 早産児 / 表現型予測 / 遺伝子発現 / エピジェネティクス |
研究開始時の研究の概要 |
早産児は周産期に栄養不良や低酸素に曝露され、生存のための適応を余儀なくされることが多い。この「適応過程で、疾病体質が形成される」のがDOHaDの概念であり、エピジェネティクスの関与が想定されているが、標的分子は十分に解明されていない。本研究では、代表者がこれまでの研究で得た知見から、早産児におけるエピゲノム記憶候補に焦点を絞り、血液等のエピゲノム・蛋白データを更に集積し、胎児期エピゲノム変化による中長期的な遺伝子発現・表現型への関連を明らかにする。早産児の病態・予後は胎児期の状態に大きく左右されるが、本研究によりエピゲノムデータからの表現型予測法開発に繋がり、臨床的にも大きく貢献が期待される。
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研究実績の概要 |
コロナ禍も影響して、予備実験、環境整備、情報収集、情報整理、解析系整備、プロトコール作成に終始している状況である。単核球分離からのDNA/RNA抽出技術と実験系は保守し、質的問題・量的問題は特に問題ないことを引き続き確認した。研究室・実験室・附属病院病棟のコロナ禍における使用方法や感染防止策を検討し、整備した。これまでの研究成果について、第58回日本周産期・新生児医学会学術集会(令和4年7月、「新生児医療とエピジェネティクス~早産児・低出生体重児におけるエピゲノム異常とその長期遺残~」)で教育講演を行なった。また、雑誌「周産期医学」において総説「【Late preterm・Early termを展望する】在胎週数とDNAメチル化変化」、雑誌「遺伝子医学」において、総説「【環境の影響とその遺伝・DOHaD】ヒト周産期異常症例で実際に観察される環境依存的エピゲノム変化とその遺残」を執筆し、公表した。早産から得られる知見についてまとめ、共著者とともに論文の公表("Case report: A case of fetal umbilical vein varix presenting disseminated intravascular coagulation, polycythemia, and neonatal hepatitis in an extremely low birth weight infant")を行なった。 今年度は、FAOPS 2023(The 22nd Congress of the Federation of Asia and Oceania Perinatal Societies)において講演の依頼も受けており、早産児・低出生体重児のエピゲノム記憶について発表を行う予定である。 コロナ禍による病棟への影響で制限が出ており、また情報収集からDNAメチル化解析および蛋白解析に重きを置く方針・計画に変更している。コロナ禍の影響や計画変更に伴い、計画自体が遅れていることは否めないが、検体自体は集まってきている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
コロナ禍で実験室利用を控えることを余儀なくされることが非常に多かった。また、附属病院病棟内のコロナ対策にも時間を取られている。コロナ禍の中で可能な仕事を模索し、進捗がなるべく遅れないように努めた。解析系の保守や整備も可能な限り行なった。コロナ禍が影響してか、早産児の出生が少なくなっていることや研究の動線が制限されていることも研究遅延に影響したものと考えている。情報収集や予備実験から、新規知見を収集するために方針変更を余儀なくされたことも影響している。どちらかと言えばDNAメチル化の結果を重視すべきことから、計画の見直しを行なった。サンプル数自体は徐々に集まってきている。
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今後の研究の推進方策 |
情報収集や予備実験から、新規知見を収集するために方針変更を余儀なくされた。予算の問題や、蛋白実験やRNA実験の制限を再認識したことと、どちらかと言えばDNAメチル化の結果を重視すべきことから、計画の見直しを行なった。サンプル数自体は徐々に集まってきているので、今後はDNAメチル化またマイクロバイオームとの関連に重きを置いて再編成して進めていきたい。遺伝子発現解析は努力目標に留め、基本的にはDNAメチル化解析と蛋白解析に重きを置いて、サンプル数を確保する形で進めた方が効率的かつ重要な知見が得られると判断した。引き続きサンプルを収集し、解析を進めていきたい。
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