研究課題/領域番号 |
20K16918
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分52050:胎児医学および小児成育学関連
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研究機関 | 福井大学 |
研究代表者 |
伊藤 尚弘 福井大学, 学術研究院医学系部門(附属病院部), 特命助教 (90791905)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 食物アレルギー / 経皮免疫療法 / 好酸球性消化管疾患 / アウトグロー / ナノ粒子 |
研究開始時の研究の概要 |
近年、食物アレルギー患者の増加とその対応が社会的問題となっている。しかし、確立した食物アレルギーの治療法がない状況である。そのため本研究では、食物アレルギーに対して、有効で安全な経皮免疫療法の開発を目的とする。皮膚に炎症が生じると感作が誘発され、誘発症状が増悪する可能性があるため、①皮膚を損傷しないようにナノ粒子を用い、毛包周囲の樹状細胞を利用する免疫療法の確立、②作用機序の解析、特に制御性T細胞と抗原特異的IgDの関与の評価を行う。本研究により経皮免疫療法の制御機構を明らかにすることで、食物アレルギーに限らず、アレルギー性鼻炎、気管支喘息など他のアレルギー疾患の免疫療法への応用が期待される。
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研究実績の概要 |
当初は、経皮感作後にナノ粒子を経皮的に投与することで新規の経皮免疫療法の確立・病態解析による他のアレルギー疾患への応用を目的としていた。しかし、コントロール群として用いたナノ粒子を用いない群のマウスも自然に軽快する様子が複数回にわたって確認された。この現象は以前の3回経皮感作を行うマウスでも同様にみられており、その原因究明を行うことが、経皮免疫療法を行うためにも必要であると判断し、本年度はアウトグローの機序解明に注力した。 経皮感作するモデルマウスを作成の短縮には既に成功しており、今年度も2回経皮感作を行い、2週間間隔で負荷試験を行った。昨年度にアウトグローすることが一定の割合でみられたことから、その病態解明のため、引き続き実験を行った。腸管組織を保存し、血清で抗原特異的IgE、mmcp-1、IgG1、IgG2、IgDなどの比較を行った。今年度は更に、経口免疫療法モデルマウスを用いて、アレルギー群、コントロール群の3群で比較をしており、各群で2回目の負荷試験の際に直腸温や下痢症状の変化が異なること、血清学的に変化がみられていることを確認している。今年度は、結果の再現性について確認をしている段階であり、マウスでもヒトと同様に抗原特異的IgDがアウトグローに関わる可能性について検討を引き続き行う。再現性が得られることを確認出来れば、予定していたリンパ球の比較や腸管組織でのRNA発現の比較などを行う予定である。 また、抗原特異的IgDとアレルギー疾患について文献を収集し、総説として報告を行った(Itoh N. Allergol Int. 2023)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
コロナ禍による臨床の負担が増え、研究を行う時間が減少した。また、当初予定していた経皮感作食物アレルギーモデルマウスの再現性に時間を要した。
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今後の研究の推進方策 |
経皮免疫療法で再現性が得られるデータが得られていないため、経口免疫療法モデルマウスに切りかえて免疫療法による耐性獲得の機序の解明について検討をしている。既に免疫療法群、アレルギー持続群、コントロール群でそれぞれ特徴的なデータが得られており、再現性が確認出来れば、よりデータを整理して考察を加え、論文化する予定である。
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