研究課題/領域番号 |
20K16930
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分52050:胎児医学および小児成育学関連
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研究機関 | 札幌医科大学 |
研究代表者 |
房川 眞太郎 札幌医科大学, 医学部, 研究員 (20866131)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2022年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | NIRS / INVOS / rScO2 / 内大脳静脈 / 揺らぎ / 脳室内出血 / IVH / 超低出生体重児 |
研究開始時の研究の概要 |
脳室内出血は新生児の予後に影響を与える重大な合併症の一つであるが、これを予防するための非侵襲的かつ持続的なモニタリング手法が確立していないことが課題となっている。近年、内大脳静脈の血流波形の評価や、近赤外分光法(Near infrared spectroscopy:NIRS)による脳の局所酸素飽和度(regional cerebral oxygen saturation:rScO2)モニタリングが脳室内出血の予防を目指す上で有用との報告が散見されるが、未だ研究途上でありこれら同士の関連について調べられた報告はないため、本研究では内大脳静脈の揺らぎとrScO2との関連について調べる。
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研究成果の概要 |
脳室内出血(IVH)は新生児の重大な合併症であるが、IVHの予防のためのモニタリング手法は未確立である。本研究では内大脳静脈(ICV)の血流波形と脳の局所酸素飽和度(rScO2)の関連性を調査した。 体重1000g未満、在胎24週以上30週未満の10例を対象に、NICU入院後から生後72時間までrScO2をモニタリングした。ICV揺らぎのlow grade群(7例)とhigh grade群(3例)とを比較したが、患者背景に有意差は見られなかった。rScO2は概ね24-48時間でピークに達し、両群間に有意差はなかった。本研究ではICVの揺らぎとrScO2の関連性は明らかにできなかった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本調査では、内大脳静脈の揺らぎと脳の局所酸素飽和度との関連性を明らかにすることはできなかった。新型コロナウイルスの影響等により、患者数や病床数の制限を受けたことで、予定通りの解析ができなかったことが原因の一つと考えられる。内大脳静脈の揺らぎや、脳の局所的酸素飽和度といった分野には、未解明の要素が依然として数多く存在している。これを探求して理解を深めれば、適切な循環管理で脳室内出血の発症リスクを下げることが可能になると考えられ、社会的にも大きな意義があると言える。本研究がこの分野における新たな知見の契機となり、更なる研究が推進されることに期待したい。
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