研究課題
若手研究
川崎病は小児に生じる原因不明の発熱性疾患である。高リスク患者の抽出と適切な介入により冠動脈瘤の形成を予防するストラテジーの開発は重要な課題である。本研究では、治療前後の川崎病患者をはじめとした様々な小児炎症性疾患患者サンプルを用いて、サイトカイン解析と、免疫細胞サブセット解析を行い、それらを臨床所見、検査データと統合することで、疾患の病態理解の向上ならびに、治療不応・再燃リスクの高い患者を早期抽出し、適切な介入を可能とすることを目指す。
63例の川崎病患者における治療前後の検体を用いてサイトカインプロファイルを主として行った。一部ではマスサイトメトリーを用いた免疫細胞サブセット解析も行った。また、対比目的で、血球貪食性リンパ組織球症をはじめとした、高サイトカイン状態が病態に関連している小児疾患においても同様の解析を行った。川崎病の診断で同一の治療を受けた患者であっても異なるサイトカインパターンや免疫細胞サブセットのパターンを呈することが明らかになった。今後さらに再発・難治例の症例数や、対比疾患の症例数を増やして解析することが望まれる。
川崎病患者において、共通して上昇するサイトカインよび患者、治療経過ごとに異なるサイトカインのパターンを明らかにした。本研究の成果を応用し、将来的にサイトカイン解析から再発・難治例を予測し、個々の患者にとって最適と考えられる治療を提案できる可能性がある。
すべて 2022 2021 2020
すべて 雑誌論文 (4件) (うち国際共著 1件、 査読あり 4件、 オープンアクセス 2件)
Journal of Clinical Immunology
巻: 43 号: 2 ページ: 466-478
10.1007/s10875-022-01396-1
World Journal of Pediatrics
巻: 17 号: 2 ページ: 215-217
10.1007/s12519-021-00412-5
EBioMedicine
巻: 64 ページ: 103235-103235
10.1016/j.ebiom.2021.103235
International Journal of Hematology
巻: 113 号: 2 ページ: 297-301
10.1007/s12185-020-02999-3