研究課題/領域番号 |
20K16939
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分52050:胎児医学および小児成育学関連
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研究機関 | 愛知医科大学 |
研究代表者 |
竹下 覚 愛知医科大学, 医学部, 助教 (20715875)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 新生児学 / 胎児発育遅滞 / SGA児 / 血小板減少 / トロンボポエチン / 神経保護 / 大脳皮質形成 / 神経発達障害 / 脳回形成 / 妊娠高血圧症候群 / ロミプロスチム |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は、 1- SGA児の血小板減少の機序を多面的かつ詳細に明らかにすること 2- TPOとPDGFの変化が神経発達に与える影響を明らかにすること 3- 血小板関連因子の制御により新生児の神経発達障害を緩和する治療を提唱すること である。新生児血小板減少症の多くは無症状で一過性のため注目されてこなかったが、申請者らはTPOの発現低下であることを見出してきた。本研究は、SGA児で頻発する血小板減少および血小板関連因子の変化が神経発達に与える影響に着目して、新生児の予後改善を探求するものである。
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研究成果の概要 |
妊娠高血圧症候群など子宮内慢性低酸素環境により胎児発育は停滞し、SGA(Small for gestational age)児として出生する。本邦でSGA児は増加傾向で、合併症の予防と治療は重要性を増している。これまでに申請者は、ヒトSGA児で生じる血小板減少は、血清トロンボポエチン(TPO)濃度の低下に伴う血小板産生抑制によることを明らかにした。また、SGAモデルラットを用いてTPO低下の原因は未熟肝臓によるTPO発現低下であり、TPO受容体作動薬の投与で血小板減少を改善できることを明らかにした。これらの結果を論文として報告した。現在はSGA児の神経予後改善を目指してさらに研究を進めている。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
現在日本で臨床使用されているTPO受容体作動薬はエルトロンボパグとロミプロスチムのみで、適応は主に成人の慢性血小板減少性紫斑病である。新生児血小板減少症の原因が分子生物学的レベルで解明され、TPOの動向が明らかになれば、TPO受容体作動薬が新生児血小板減少症の新規治療薬となる可能性がある。血小板輸血の代替治療は、輸血に伴う感染症などのリスクを回避するだけでなく、貴重な医療資源の負担を軽減することができる。さらに、SGA児の合併症の予防と治療は、SGA児本人だけでなく家族や社会全体にも利点が大きく、新たな治療は我が国の将来を担う子どもと子どもを支える社会の両方に恩恵を与えると期待できる。
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