研究課題/領域番号 |
20K16944
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分52050:胎児医学および小児成育学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人国立成育医療研究センター |
研究代表者 |
小澤 克典 国立研究開発法人国立成育医療研究センター, 周産期・母性診療センター, 部長 (70408516)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 臍帯潰瘍 / 先天性十二指腸閉鎖症 / 先天性空腸閉鎖症 / 羊水中胆汁酸濃度 / 羊水中総胆汁酸濃度 / 胎児十二指腸閉鎖症 / 胎児空腸閉鎖症 / 疾患レジストリ / 多施設共同研究 / 周産期死亡 / 羊水検査 |
研究開始時の研究の概要 |
先天性十二指腸閉鎖・空腸閉鎖症の予後は通常良好ですが、約10%は胎児死亡もしくは新生児死亡になります。この死亡原因に臍帯潰瘍という、臍帯血管を覆っているワルトンゼリーが菲薄化して臍帯血管が露見し、子宮内で出血を起こす病気が関係していることが分かってきました。しかし、臍帯潰瘍の原因は不明で分かっていないことが多く、現在は妊娠中に臍帯潰瘍を診断する方法がないため死亡を防ぐことができません。 本研究の目的は、多施設共同で胎児の十二指腸閉鎖・空腸閉鎖症のレジストリを実施し、妊娠中や分娩後の情報や試料を収集することで、妊娠中に臍帯潰瘍の発生を予測するための因子を探索することです。
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研究成果の概要 |
先天性十二指腸閉鎖・空腸閉鎖症は胎児期に臍帯潰瘍が発生することがあり、半数以上で予後不良となる。しかし、これまで臍帯潰瘍の発生頻度やリスク因子は分かっていない。本研究では先天性十二指腸閉鎖・空腸閉鎖症と胎児診断された症例を登録する前方視的レジストリ研究である。臍帯潰瘍は顕微鏡所見によってその重症度をgrade0~4に分類した。そして羊水中胆汁酸濃度などを測定し、妊娠背景や胎児の特徴と共に臍帯潰瘍との関連を調査した。全国23施設が研究に参加し、2020年11月から登録を開始した。現在登録が完了し、計121例の登録となり、目標のサンプルサイズを達成した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
現在症例登録は終了し、データを収集中である。病理診断は89例で完了したが、周産期死亡は9例あり、胎児死亡が4例、新生児死亡が5例であった。21トリソミーは28例に認められた。初回採取時の羊水中総胆汁酸濃度の中央値は9.88(Q1 2.19, Q3 19.53)μmol/Lであり、すべてデータの収集が完了してから解析に移る予定である。本研究の結果は論文として発表し、先天性十二指腸閉鎖・空腸閉鎖症を伴った児の臍帯潰瘍による予後の悪化を防ぐために有用な情報となり、予後改善のために我々が次に実施するべきことを明らかにする。
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