研究課題/領域番号 |
20K16952
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分53010:消化器内科学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
坂口 賀基 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (20791445)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2020年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
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キーワード | 胃底腺型胃癌 / NKX2-1/TTF-1 / SFTPB / 網羅的遺伝子発現 / ゲノムインフォマティックス解析 / NKX2-1 / 胃癌 / 網羅的遺伝子発現解析 / 免疫組織学的評価 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の主な解析対象である胃底腺型胃癌は2007年に初めて提唱された新しい疾患概念であり、悪性化リスクや臨床経過などがまだ明らかになっていない一方、近年急激に増加傾向を呈しており、病態究明が急務である。 胃底腺型胃癌発生に関わる分子生物学的機序についての報告が皆無であり、本研究では胃底腺型胃癌に対する網羅的遺伝子発現解析とゲノムインフォマティックス解析により新たな知見を得て、胃底腺型胃癌の発症メカニズムの解明並びに病理学的診断基準の樹立を目指す。
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研究成果の概要 |
胃底腺型胃癌に特異的にNKX2-1/TTF-1が発現していることを初めて示した。また網羅的遺伝子発現解析を施行した胃底腺型胃癌とは独立した胃底腺型胃癌群に対する免疫組織学的検討によりNKX2-1/TTF-1および下流のSFTPB, SFTPC, SCGB3A2を評価し、NKX2-1/TTF-1およびSFTPBが胃底腺型胃癌で有意に高発現していることを改めて示した。また胃癌細胞株にNKX2-1/TTF-1をtransductionし、SFTPB, SFTPC, SCGB3A2のtransactivationを誘導し、NKX2-1/TTF-1が胃細胞においても肺同様の機能を呈することも示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
NKX2-1/TTF-1は今まで肺・甲状腺の分化を特異的に担う転写因子と報告されており、肺癌における予後規定因子であると報告されている。一方で、他臓器の正常組織での発現や、他臓器癌の発生に関与しているという既報なない。本研究でNKX2-1/TTF-1が肺癌以外の癌組織において高発現することを初めて示したことは意義が大きい。 またNKX2-1/TTF-1および下流のSFTPBなどの遺伝子群が胃底腺型胃癌の発生において重大な役割を担うことを初めて示したことも重要な知見であり、今後の胃癌発生研究に大きく貢献すると思われる。
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