研究課題/領域番号 |
20K16971
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分53010:消化器内科学関連
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
柳川 享世 東海大学, 医学部, 助教 (10760291)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 肝再生 / 線維肝 / 肝発生 / エクソソーム / 再生医療 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、応募者の研究室が独自に見出した新たな肝再生促進因子について、肝硬変に代表される線維肝の再生と、胎仔肝の発生に共通する分子機構を明らかにしようとするものである。肝臓は再生する臓器であり、重度の肝傷害からの再生には肝臓の細胞の元となる肝前駆細胞が必要とされる。しかし肝前駆細胞が出現する機序は不明な点が多い。そこで、胎仔の肝臓が成長する過程における肝前駆細胞との共通点を見出し、当該肝再生促進因子の役割を明らかにすることで、革新的な肝再生治療法の開発に繋げることを目指す。
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研究成果の概要 |
本研究では、所属研究室において同時に見出した新規の線維肝再生促進因子であるOpioid growth factor receptor-like 1 (OGFRL1)について解析を実施した。肝再生時のシグナル伝達および作用機序として、肝前駆細胞の動員や細胞増殖の亢進であることが示唆された。研究期間全体を通じて、OGFRL1ノックアウトマウスの表現型、OGFRL1のシグナル伝達経路、これらを踏まえたOGFRL1の作用機序という3つの主要項目を解析したことで、線維肝の再生と胎仔肝の発生に共通するOGFRL1の分子機構の一端を明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
近年、日本国民の約3人に1人が主に生活習慣に由来する非アルコール性脂肪肝であると推定されており、その10~20%が非アルコール性脂肪肝炎(NASH)に進行すると言われている。炎症状態が持続すると、細胞外基質が組織に蓄積する線維化が進行する。肝臓の線維化の最終形態は肝硬変であり、肝細胞癌も好発する。 本研究により、OGFRL1による線維肝の再生と胎仔肝の発生に共通する分子機構の一端を明らかにした。線維肝の再生機構を解明することは、学術的意義のみならず、100~200万人にも上ると推定されるNASH患者、その他の原因による肝線維症患者に対する治療薬や治療法の開発につながり、社会的意義も大きい。
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