研究課題/領域番号 |
20K16974
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分53010:消化器内科学関連
|
研究機関 | 大阪医科薬科大学 |
研究代表者 |
平田 有基 大阪医科薬科大学, 医学部, 講師 (50774494)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
|
キーワード | 炎症性腸疾患 / 血栓症 / 潰瘍性大腸炎 / 静脈血栓症 / 血栓 |
研究開始時の研究の概要 |
潰瘍性大腸炎やクローン病などの炎症性腸疾患 (Inflammatory bowel disease: IBD)は様々な合併症が認められるが、中でも血栓症は時に重篤な経過をたどる比較的頻度の高い合併症である。腸管の炎症活動性が高い時に血栓は発生しやすいとされるが、その発生メカニズムについては不明な点が多い。本研究では、血栓を形成する際に重要な役割を果たす血小板や凝固因子に注目し、炎症性腸疾患の寛解期と活動期でどのような変化が起こっているのかを調べる。また、近年研究が進みつつある自然免疫系の細胞が関与する血栓形成機構が、IBDにおける血栓形成傾向に関与しているのかを検証し、合併症発生の減少や新たな治療ターゲットの探索に繋げたい。
|
研究実績の概要 |
研究の方法として、当院に通院、入院された潰瘍性大腸炎80症例(2019年6月から2022年10月, 200point)を対象に採血で止血能やD-dimmerなどを評価しUCの活動性との関係を評価した。また当院に通院、入院された潰瘍性大腸炎23症例(2019年7月から2022年3月)を対象に全血を血小板安定剤 (ThromboFix)で処理したのちに血小板分離を行いフローサイトメトリーで活性化血小板の割合を測定した。最後に、CD14,CD16で単球の分画を確認しそれぞれの分画で組織因子の発現がどうなっているのか確認した。潰瘍性大腸炎の活動期において寛解期と比較して有意にD-dimmerの上昇が見られ血栓を形成しやすい環境になっていると考えられた。また活動期においてPT(%)が短縮しており凝固因子の中でも組織因子などの外因系の因子が血栓形成傾向に関与していると推察された。全ての症例で見た時にDdimmerの上昇自体はp-Mayoとの相関は弱く、血小板数が高いことやAlb値が低いことやCRPの高値との相関が強かった。活動期におけるD-dimmerの上昇はさらにBMI低値や若年がリスクとなっていた。寛解期と活動期で比較すると活性化血小板の割合に明らかな有意差は認めなかったが、症例ごとのpair検定を行うと活動期で活性化血小板の割合が上昇していた。単球の中でもIntermediate monocyteが活動期で割合が増えていた。単球における組織因子の発現はそれほど高くなかったがClasssical monocyteに比べ、Intermediate, Nonclassicalの単球で僅かに発現が高かった。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
Low density granulocytesの解析を行おうとしているが単離に難渋している。
|
今後の研究の推進方策 |
特定の分画の血球細胞を分離する方法を確立するのに時間がかかり次年度使用額が生じた。使用計画としては、好中球の分離を行い寛解期と活動期で遺伝子発現 がどのように変化しているのかを確認するため主にシーケンシング試薬に助成金を使用する予定である。
|