研究課題/領域番号 |
20K16980
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分53010:消化器内科学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
大木 大輔 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (40843157)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2020年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
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キーワード | 大腸鋸歯状腺腫 / 網羅的遺伝子発現解析 / 大腸鋸歯状腺腫(SSAP) / MSI癌 / CDX2 / 癌関連遺伝子 / バイオマーカー |
研究開始時の研究の概要 |
SSA/P及びHPに対してコード遺伝子のみならず、miRNAを含む非コード遺伝子も含めた網羅的 遺伝子発現解析を施行し、その結果得られた遺伝子発現プロファイルに関してGSEA及びDAVIDによるPathway解析を施行しSSA/Pの遺伝子・遺伝子発現パターンから発症機序を明らかにする。SSA/Pのみならず鋸歯状病変の中でも悪性化リスクが極めて低いHPと統計学的比較を施行することにより特に発癌と関連が示唆される遺伝子を絞り込む。 またSSA/P及びHPのDNAを用いて次世代シークエンサーを用いた癌関連遺伝子の変異解析(DNA)を行う。
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研究成果の概要 |
大腸鋸歯状腺腫(SSA/P)に対して内視鏡生検検体を用い、網羅的発現解析を行った。得られた結果に対してGSEA解析等のBioinformatic解析を行ったところ、SSA/PにMSI-high癌と強い相関が認められた。この結果によりSSA/Pの悪性化のメカニズムに迫れる可能性が示唆された。またトランスクリプトーム解析の結果、SSA/Pはその初期の段階よりCDX2の発現低下を認めていることが確認され、免疫染色でもCDX2発現がSSA/Pの超初期より明らかに低下していた。CDX2は腸の発生・分化・機能維持に必須とされており、その発現低下がSSA/P発症に重要な役割を果たしていることが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
大腸鋸歯状腺腫は、近年認識されるようになってきた病変であり、癌化に至る機序や担癌率等、まだ十分に分かり切っていない状況であり、現在様々な研究が行われている。大腸鋸歯状腺腫は発育する過程で、その一部に異形成 (dysplasia)が生じ、さらに発育することで癌に至るとされており、異形成が生じてから癌に至る速度が速い症例も一部にはあると報告されている。今回の結果により、大腸鋸歯状腺腫より異形成が生じて癌化に至る機序の一端が明らかとなった可能性があり、今後の更なる研究が望まれる。
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