研究課題/領域番号 |
20K16985
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分53010:消化器内科学関連
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研究機関 | 大分大学 (2021-2022) 滋賀医科大学 (2020) |
研究代表者 |
和田 康宏 大分大学, 医学部, 客員研究員 (10812125)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 膵上皮化生 / 胆汁酸逆流 / ラット十二指腸液逆流モデル / 逆流性食道炎 |
研究開始時の研究の概要 |
膵上皮化生は食道胃接合部にみられることが多く、膵腺房細胞のみで構成されており、cardiac mucosaとともに存在することが多く、発生機序については不明である。申請者らは膵上皮化生の発生に胆汁酸の曝露が関与していると考えた。本研究では、以下を行う。①ラット十二指腸液逆流モデルを用いて、膵上皮化生の発生過程について明らかにする。②3D培養を用いた胃粘膜モデルを用いて、胆汁酸と膵上皮化生発生との関連性を明らかにし、関与する遺伝子を同定する。③ヒトの胃内容物を採取し、膵上皮化生と胃内への胆汁酸逆流の関連性について調べる。
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研究成果の概要 |
膵上皮化生は胃粘膜に見られる化生であり、その発生メカニズムや存在意義については知られていない。本研究ではラット十二指腸液逆流モデルを作成した。胆汁酸の逆流が見られる胃-空腸吻合部周囲の粘膜に、十二指腸液の逆流によるSPEMを伴う胃粘膜損傷に関連して誘導され、さらに膵上皮化生、幽門腺化生は、腺頚部に由来する幹細胞より発生していると考えた。また、胃粘膜から採取した生検組織5930例について人での膵上皮化生の発生頻度と患者背景を検討し、胃前庭部に膵上皮化生が発生しやすいことが示された。胃前庭部は日常診療では胆汁逆流が見られやすい箇所であることから、胆汁酸が膵上皮化生の発生に関与していると考えた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
膵上皮化生は胃粘膜に見られる化生であり、その発生メカニズムや存在意義については知られていない。本研究では膵上皮化生が十二指腸液に含まれる胆汁酸逆流により誘導されている可能性が示された。しかし、膵上皮化生を誘導する胆汁酸の同定や、実際に胃粘膜に胆汁酸刺激を加えて、膵上皮化生を誘導する遺伝子を同定できておらず今後の研究課題である。また、膵上皮化生と胃癌の発生の関与は現段階では不明であり、今後の研究課題と考える。
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