研究課題/領域番号 |
20K16992
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分53010:消化器内科学関連
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
藤岡 審 九州大学, 大学病院, 助教 (90814400)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | クローン病 / 抗IL-12/23p40抗体 / Th分化 / 遺伝子発現解析 / 潰瘍性大腸炎 |
研究開始時の研究の概要 |
クローン病は炎症性腸疾患の一病型であり、再燃寛解を繰り返すことで狭窄や瘻孔を形成する難治性の病態である。抗Interleukin-12/23p40抗体であるUstekinumab(UST)は、抗TNF-α抗体製剤不応例や効果減弱例への治療効果が明らかとなり、難治性クローン病に対する新たな治療選択肢と位置づけられている。一方で、USTへの治療効果予測因子に関する知見少なく、UST不応例に対する治療指針も定まっていない。本研究では、UST新規導入患者の腸管粘膜や血液サンプルにおける遺伝子プロファイルや免疫関連因子の解析を通じて、治療効果予測因子およびUST不応例への新たな治療標的の同定を目指す。
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研究成果の概要 |
本研究では、抗IL-12/23p40抗体療法を新規導入したクローン病患者の末梢血T細胞におけるTh分化の変化を解析した。また、腸管粘膜組織における遺伝子発現解析を行った。同様の解析を抗TNFα抗体療法を新規導入した患者にも行い、両者の比較を行った。結果、抗IL-12/23p40抗体療法を行った患者群において、治療後に末梢血中のTh17細胞比率の有意な減少が確認された。また、腸管粘膜組織においてはTh17分化に関わる遺伝子発現が抑制されていた。この抑制された遺伝子は抗TNFα抗体療法で変動したものとは別種類のものであった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
クローン病をはじめとした炎症性腸疾患では現在、複数の生物学的製剤および免疫抑制薬が治療薬として承認されているが、治療効果の予測因子や治療薬導入の順序は明らかとなっておらず、治療戦略を立てる上での障害となっている。本研究により抗IL-12/23p40抗体療法と抗TNFα抗体療法では異なる治療メカニズムを有していることが確認され、本研究で用いた分子生物学的手法が治療薬を選択する上での判断材料になる可能性が示された。さらに、それぞれの治療不応時や効果減弱時における薬剤の切り替えが有望な治療選択肢であることが裏付けられた。
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