研究課題/領域番号 |
20K16995
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分53010:消化器内科学関連
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研究機関 | 横浜市立大学 |
研究代表者 |
栗田 裕介 横浜市立大学, 附属病院, 助教 (30867015)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | オルガノイド / IPMN / KRAS / GNAS / 膵嚢胞性腫瘍 / 膵癌 |
研究開始時の研究の概要 |
膵IPMNの治療方針決定には、画像診断と病理組織学的な診断が望まれるが、ERCPによる病理診断法は十分な診断能を有しているとはいえない。またIPMNは分子基盤、遺伝子異常は不明確な点が多く、良性IPMNにおける悪性病変への進行を防ぐ化学予防薬剤や、悪性IPMNにおける特異的な抗腫瘍薬剤は明らかになっていない。本研究ではIPMNにおいてERCPにより採取した膵液より培養したIPMNオルガノイド細胞株を使用し、高感度の病理診断法の確立と、遺伝子解析を行うとともに、良性IPMNの化学予防薬剤と、悪性IPMNに対する抗腫瘍薬剤からなる新規治療薬剤の同定を目指す。
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研究実績の概要 |
膵管内乳頭粘液性腫瘍(Intraductal Papillary Mucinous Neoplasm; IPMN)は、画像診断機器の進歩により、発見される機会が増えている。治療方針の決定には、画像診断と病理組織学的な診断が望まれるが、現状の内視鏡的逆行性胆管膵管造影(ERCP)による病理診断法は診断感度が低く、十分な診断能を有しているとはいえない。またIPMNは分子基盤、遺伝子異常は不明確な点が多い。良性のIPMNであっても、経過を追っていくと悪性化するリスクがあるため注意を要するが、悪性化予防法はいまだなく慎重な経過観察をするしかない。そのためIPMNにおいて良性病変から悪性病変への進行を防ぐ化学予防薬剤の同定が望まれている。また切除不能段階に進行した悪性のIPMNは抗がん剤治療が適応となるが、有効な抗腫瘍薬剤は明らかになっておらず、慣習的に通常型膵がんと同様なレジメンが使用されている。ゆえに、悪性のIPMNに対して特異的に有効な抗腫瘍薬剤の同定が必要である。近年、生体内の組織、臓器に極めて近い構造で細胞を増幅さ せる3次元培養システムとしてオルガノイドという手法の有用性が報告されている。今回、本研究ではIPMNに対してERCPにより採取した膵液より培養したIPMNオルガノイド細胞株を使用し、高感度の病理診断法の確立を試みている。また採取したオルガノイド培養株から遺伝子解析を行っている。良性IPMNの化学予防薬剤と、悪性IPMNに対する抗腫瘍薬剤からなる新規治療薬剤の同定を目指している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
昨年までに引き続きIPMNの患者からERCPにより膵液を採取し、培養、継代により再現性のある細胞を十分量増幅したオルガノイド細胞株を樹立を行ってきた。 同オルガノイド細胞株よりhematoxylin eosin染色(HE)標本および免疫組織化学染色標本を作成し、手術検体による最終診断と照らし合わせて、オルガノイド細胞株により作成に成功した。 また従来の手法であるERCPで得られた膵液による細胞診診断能、放射線専門医による画像診断能と、それぞれ感度、特異度、正診率を含めた診断能の比較を行い、統計解析を行っている。以上より膵液オルガノイド細胞株より作成したHE標本と免疫組織化学染色標本を使用した病理診断による悪性診断能の向上について検討を行った。 培養可能症例数が限られることからやや進捗が遅れている。 さらに得られた膵液オルガノイド細胞株よりDNA、RNAを抽出し、KRAS、GNASのほか網羅的にIPMNの遺伝子変異解析ならび遺伝子発現解析を試みているが、症例の蓄積が予定よりやや遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
今後も継代により再現性のある細胞を十分量増幅したオルガノイド細胞株を樹立を継続している。 症例を蓄積したうえで、膵液オルガノイド細胞株の網羅的にIPMNの遺伝子変異解析ならび遺伝子発現解析を試みている。KRAS変異をはじめとして良性IPMNと悪性のIPMNの差異を比較、 IPMNの分子基盤の解析を個々の症例で行う予定である。 今後オルガノイド培養が安定し、さらに遺伝子変異、遺伝子発現の解析が進んだところで、薬剤感受性との関連性を調べ、個別化治療の可能性についても検討を 行う予定である。
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