研究課題/領域番号 |
20K17013
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分53010:消化器内科学関連
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
齊藤 朋子 千葉大学, 総合安全衛生管理機構, 助教 (80747436)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 糞便細菌叢 / NAFLD / 肥満 / 腸内細菌叢 / 耐糖能 / 脂質代謝 / 脂肪肝 / 体組成 / 腸内細菌 / 若年者 / 運動 / 学生 / 非アルコール性脂肪性肝疾患 / 大学生 / NASH |
研究開始時の研究の概要 |
わが国では食習慣の欧米化や運動量の低下などライフスタイルの変化に伴い肥満人口が増加したことから、非飲酒者に生じる脂肪性肝疾患全体を示す非アルコール性脂肪性肝疾患(non-alcoholic fatty liver disease;NAFLD)は 肝疾患の中で最も頻度が高くみられる。 既存の研究でNAFLDの進展すなわち肝線維化の進行に遺伝的背景や腸内細菌叢といった因子が寄与する可能性が報告されているが、若年者においてもその知見があてはまるのかは不明で、本研究はこれを明らかにすることでNAFLDの詳細な病態理解と治療法の創出につなげることを目的とする。
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研究成果の概要 |
非アルコール性脂肪性肝疾患が、近年、若年者においても問題となっており、本研究では学生より得られた腸内細菌叢を含む情報を統合的に解析した。 87名(男性52名、女性35名)の若年成人について解析を行った。脂肪肝および肥満の有無により4群に分けて検討した。肥満を伴う脂肪肝(Ob/FL)の群のみ軽度の肝障害を認め、肥満も脂肪肝も無い健常群に比べ耐糖能や脂質代謝の変化を認めていることが判明した。健常群とOb/FL群の腸内細菌の菌叢構成について比較したところ、BMIや体脂肪量と負の相関を認める菌群が健常群で特徴的な菌として抽出され、脂質異常と正の相関を認める菌群がOb/FL群で特徴的な菌として抽出された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究により、若年であっても既に肝機能障害を伴うNAFLDの症例がおり、同年代の健常者に比べ生活習慣病に関連する検査所見の変化を伴っていることが判明した。また、特徴的な腸内細菌構成を認めていることが判明し、菌叢構成の評価がNAFLDの病前状態におけるリスク評価ツールや治療標的となる可能性があると考えられた。さらに、この結果は研究代表者らが大学保健管理業務に携わるにあたり、若年のうちから肥満や脂肪肝にならない習慣をつけるようより積極的に指導していく根拠となりうる結果であった。
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